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2013/07/26

Calvin Klein Underwear campaign for fall 2013

長らくこのブログから遠ざかっていましたが、クリスティー・ターリントン(Christy Turlington)がカルバン・クライン(Calvin Klein)のキャンペーンに復活という大事件を目のあたりにして、やっと投稿気分が舞い戻ってきました。

1988年にアーヴィング・ペン(Irving Penn)が撮影したカルバン・クラインのキャンペーンで、初めてクリスティがキャスティングされ、その後何十年とイメージモデルを務めて来たクリスティ。永遠の意味を持つエタニティの香水キャンペーンでの美しさは現在も健在で、むしろイケイケだった若い時より魅力倍増し、にじみ出る品と美しさを放っています。

そんなクリスティ、ここ数年はカルバンクラインからは離れていたのですが、アンダーウェアの広告で大復活!しかもカルバンクラインとは切っても切れないカメラマンのマリオ・ソレンティ(Mario Sorrenti)とのミラクルコンビ。
カルバンクラインの広告では、スティーブン・マイゼルや、ピーター・リンドバーグとのコンビネーションのほうが多かったように思いますが、90年代にカルバン・クラインの急成長には外せない二人がドッキングし、モダンでセクシーでミニマムというブランドの世界観を見事表現したビジュアルが公開となっています。






身震いがするほど、衰えを知らないクリスティのボディラインや、ダイヤのカットのように美しいチークボーンからのフェイスラインのフォルムも見事。ヨガによるしなやかな筋肉のうごきまでもがエレガントで、非の打ち所のない44歳の現役モデル。

そしてプエルトリコで撮影されたと言われているこのビジュアルは、光と影の遊びを上手にコントロールして絵作りをしたと思われる、グラデーションの美しいモノクロームが新鮮。コントラストを付け過ぎず、そして濁らせ過ぎずのまさにカルバンクラインモダン!ここ数年、マリオ・ソレンティは自然とともにヌードの撮影が評価が高く、パリヴォーグなどで作品を撮っていますが、お得意のダイナミックな色彩やコントラストを押さえた仕上げが、広告としての品位をあげているように感じました。


下の画像は1995年〜2000年前までのカルバンクラインの下着広告。20代だろうが、40代だろうが、美しさが際立つためにエロティックさがあまりなく、どんなにシンプルに撮ってもモダンな印象が表現出来る唯一無人の存在。




クリスティ、他のスーパーモデル達と違って、コンスタントにビックメゾンに起用され続けていますが、この秋冬もプラダ、ジミー・チュウなどでも見る事が出来、20年近くクリスティファンを続けている自分にとっては、猛烈に嬉しいシーズンです。


こちらは撮影時だと思われる、クリスティとソレンティのツーショット。
男性と並ぶと華奢ですね〜。

本当に一度でいいから、お会いしたい♥

2012/06/07

ステファン・マレー(Stephane Marais) ポラロイド写真集『BEAUTY FLASH』

シャネルのデザイナーであるカール・ラガーフェルドに『黄金の手』とさえ言わせる実力をもつ、天才メイクアップアーティストのステファン・マレー(Stephane Marais)。彼は自分の施したメイクをポラロイドカメラで撮影しているのですが、2001年に『BEAUTY FLASH』として写真集を発売(古いネタですが・・。)。その作品は今見ても時代を感じさせない、芸術的なメイクアップに感動が止まりません。


表紙はステファン・マレーと公私ともに仲良し(?)なリンダ・エヴァンジェリスタ(Linda Evangelista)の、これでもか!というくらいなビッチな表情を採用し、かなりのドでかいインパクト!当時はどんなトップモデルも、ショーに行ったらステファンを探してメイクしてもらうというくらい、我がままちゃん達からも信頼は厚く、かなり慕われているなと思わせるエピソードです。リンダやナオミも我がままで有名ですが、ステファンの前では可愛い子猫ちゃんになっていたはず。

 左のリンダは、忘れもしない1995年のジョン・ガリアーノの50年代をテーマにしたコレクションでのバックステージか、同じヘアメイクを施されたUSハーパース・バサー1995年1月号の表紙&巻頭での時のもの。威嚇するような女王の目線は、アイラインを際立たせるくらいにチンアップ!一瞬でそのメイクの特徴を引き込んで自分のものにしているのはさすが。

右のクリスティ・ターリントン(Christy Turlington)は背景と同系色のリップカラーを塗られ、極上のエレガンスを漂わせてクラシック。ポラロイドでの撮影なので被写体と近過ぎると肌色が飛び過ぎてしまうんだけど、このクリスティの写真はハイライト部が綺麗に飛んでてコントラストも美しい。目もとのブラウンのグラデもさりげなくって好き。


 個人的に大好きなリンダのおかっぱ時代。左も右も両方リンダなんですけど、ステファンのメイクでまるで別人に。変身能力が高いリンダだから特に表情までもがガラリと変わって、別人度がハンパないです。右のは1997年にジョン・ガリアーノがディオールのデザイナーになって初めてのコレクションをやった時の服で、ショーの時のヘアーと違うので、ニック・ナイト撮影のDIORの広告の時のスナップだと思われます。20年代調のチークの入れ方にしてアイシャドウも眉頭までしっかり入れて、意思の強さも表現するあたり、バランス感覚が素晴らしいです。


 左のメーガン・ダグラスは、間違っていなければ1995年4月号のWマガジンでマイケル・トンプソン(Michael Thompson)が撮影したときのメイクだったと思う。幾何学的なラインを取り入れたメイクと、いつもラグジュアリーなメイクを表現するマイケル・トンプソンの写真との意外性のあるコラボレーションで、結構度肝を抜かれた記憶あり。あんまりメーガンの顔は好きなほうではないんだけど、メイクとヘアー攻撃力と、それに負けていないメーガンの眼差しにやられました。

右のシャローム・ハーロウ(Shalom Harlow)は、、、いつのメイクか微妙にわからないんだけど、もしかしたらハーパース・バサーでディオールのクチュールをシャロームに着せて、ピーター・リンドバーグが撮った時のものかも?ステファン・マレーって時にダイナミックにラインや顔の凹凸を無視したメイクをする場合があるんだけど、それがどれを見ても極上のグラデだったり、悔しいくらいに計算されつくした質感の合わせだったり、見れば見る程、ため息まじり。このシャロームも目もとを大胆にしたので、口元にいっさい色を入れずにマットな肌色にして存在を消しているのがクールです!


左のデヴォン青木は、髪型から想定してハーパース・バザーのカバーでパトリック・デマルシェリエ(Patrick Demarchelier)が撮影した時のもののような気がします。日系の彼女は他の欧米モデルに比べてのっぺりした顔立ちをしているので、ペイント的な手法にして面白みを出してパーツの個性を引き出しているように思えます。デヴォンって唇が極小なので、こういった濃いレッドを乗せると、さらにおちょぼ口になって芸者みたいで面白い。

右のシャローム・ハーロウは、上の目もとを真っ黒に塗られたメイクとは真逆で、程よくシャドウを入れられた、ミニマムなメイクでお品が宜しい感じ。シャロームはもともと頬骨からアゴのラインが彫刻なみに美しいので、少しのシャドウで立体感が生まれるのですが、ノーカラーで質感だけ整えたお陰で、すこぶるクリーンで神秘的。気品に満ちあふれています。



SPURなどでステファン・マレーのメイク術はよく掲載されていたし、資生堂クレド・ポーのカラークリエイターとして長い間契約をしていたので、昔から凄くファンなのですが、どういうシチュエーションでどういうメイクをしても、エレガンス漂う仕上げにするのは彼の意識してないけど出てしまう良い部分な気がします。
東京コレクションでギャルソンをメイクするために来日していた際に、偶然渋谷パルコの本屋さんで出会った事があるのですが、話しかけたら凄く親切に対応してくれて今でも忘れられない思いでです。

20年程前のステファン・マレーと女王リンダ。

2012/05/21

2012年 スーパーモデルのリアル肌レポート 驚きの現状あれこれ。

現在は全ての写真って言っていい程、エディトリアルや広告では肌修正が施されていますが、実際のモデルさん達はどのような状況でリアルに生きているのか、パーティースナップやパパラッチ画像から検証してみました。

写真は差別ないように、すべて2012年に入ってからのもので、出来る限り最近撮られたものをセレクトしてみました。


 女優とモデルを行き来する、どっち付かずのアンバー・バレッタ(Amber Valletta)は、クラシカルなヘアメイクがとても似合うモデルさんで、90年代初期のグランジブームでブレイクしたモデルの一人。でこっぱちではあるものの、パーツの配置や立体感が素晴らしく、未だにエディトリアルでも人気が高いようです。
現在38歳ですが、白人の肌質で考えたら年相応なのかもしれません。輪郭などは垂れたりしていないので、ケアもちゃんとしている方かと思われます。


 キャロリン・マーフィー(Carolyn Murphy)も現在38歳。彼女はデビュー当時から肌が綺麗で有名で、ビューティーページも数多くこなし、現在はエスティー・ローダーの顔としてキャンペーンガールを務めています。さすが化粧品の広告をやるだけあって、年齢から考えたらその肌は極上。白人特有のごわつきや、表面に起こるさざ波ジワがないのが優秀。年をとってもチャーミングなスマイルも大事な要素に見えて来ます。唇は薄く、目も小さいほうなので、化粧品の広告なんてよく取れたな〜と思っていましたが、リアル肌をみちゃうとそれも納得。トム・フォード様もお気に入りなわけです。


 愛すべきクリスティー・ターリントン(Christy Turlington)は整形やボトックス反対派なので、ヘルシーな食事とヨガのお陰で20代の時と同じ体形キープ。ただ43歳にもなるとさすがにシワは深く刻まれ深刻な部分もあるのが現状。。。クリスティーの場合は、出産の際に亡くなってしまう母親を助ける活動をしたり、沢山のチャリティーに参加しているので、シワどころの騒ぎじゃないのです。人間として美しい生き方をしているので、クリスティはこれで良いんです。実際、多くの有名カメラマンから現在も指名が相次いでいるので、クリスティ人気は終わる事はないだろうと確信。シワがあっても美しいって本当に素敵な事だと思います。


マリリン・モンロー の再来と騒がれた90年代からだいぶ痩せて頬もコケ、いい感じに年を重ねている39歳のエヴァ・ヘルツィゴヴァ(Eva Herzigova)。先日のカンヌに出席した際の写真ですが、程よくシワもあり、まあ年相応といたっところ。昔のお色気むっふんエヴァより、現在の容姿のほうが個人的には好きな感じ。


 ここ最近、話題が尽きないリンダ・エヴァンジェリスタ(Linda Evangerista)は、昨年くらいからだいぶ体重を落としたようで、思ってたよりすっきりフェイス。ただ重なるリフトアップのせいなのか、ボトックスのしっぺ返しなのか、輪郭にあやふやなラインを感じてしまってちょっと惜しい。ただ現在47歳で現役のモデルだし、多目に見てあげないと可哀想かもとフォロー。逆に表現力は他のモデルより抜きん出ているので、修正ありきで頑張って欲しい。


もうこの写真発見した時は叫びそうになってしまいましたが、、、世界的に有名なケイト・モス(Kate Moss)でございます。2012年5月に入ってからの写真で、現在38歳。ケイトの場合は通常の加齢に加算して、アルコール&ドラッグ&タバコの三大悪の要素が入り乱れ、年齢からは想像もつかない程、痛みきっています。モデルとしての表現力は凄まじいので、もうちょっと自分を大切にというか、ちょっとは肌のケアをして夢を壊さないで欲しいと思います。骨格が綺麗なので修正すると驚く程輝いてみえるんだけど、、、なんだか残念なリアル顔。


 髪の毛が実際無くたって、全部カツラだって事がばれたって、元気いっぱいのナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)はお肌も頑丈でへこたれてない!!!明日で42歳の彼女、図太い肌しててナイス!筋肉量多めで新陳代謝が良いのか体形も変わらないし、フェイスラインも完璧だと思います。



さあ、今回の問題児、シンディー・クロフォード(Cindy Crawford)!最近のシンディーったら、ボトックスのさじ加減がわからなくなっているようで、毎回お顔が違う現象が起きてしまっています。ちょっと前に見た時は目の下が膨らみ過ぎだったのに、今回は目尻のボトックスが足りていないようでアライグマのように頬ラインがさがり、劣化しまくり!(っていうか別人)世の中、様々な整形失敗の先輩方がいるんだから、元祖スーパーモデルの一人として自覚もって良い先生を探して欲しい気分。おおざっぱな整形繰り返すと、みんな同じ顔になっていくから気をつけないと!ほくろがなかったらシンディーじゃないのが、非常に残念でございました。



こうやって見ると、ナオミ様だけが子供を産んでいないので、出産による体形の崩れや肌の老化の加速がないようにも思います。(黒人だから?) とは言っても、やはり人工的に美を作ろうとすると悲惨な事になるし、体に悪いものを摂取しまくった場合も必ずツケがまわってくるんだなーと再確認しました。

クリスティとキャロリンは、シワシワになっても可愛いお婆ちゃんになれる気がする。
やっぱヘルシー食事とヨガとエステ!

2012/04/30

1994年からの資生堂クレ・ド・ポー(Cle de Peau)ミューズ、クリスティ・ターリントン(Christy Turlington)の時代を超越した極上美。

いくら最新の服を来て若いモデルちゃん達が着飾ろうが、90年代に活躍したスーパーモデルの魅力は未だ衰えずに、当時のビジュアルをたまに見返すとそのクオリティーの凄まじたるや、時間が止まる勢い。こういうのを90年代の呪縛と言うそうで、20年近く経ってしまっているのにその嬉しい呪縛が解けずに、日々90年代崇拝モードです。

スーパーモデルの中でもクリスティー・ターリントン(Christy Turlington)が死ぬ程好きで、そのきっかけとなったのが1994年からクリスティーがイメージモデルを務めた資生堂クレ・ド・ポー(SHISEIDO cle de peau)のビジュアル。先代のヘザー・スチュワート・ホワイトの時には特になんとも思わなかったのですが、クリスティーになったとたんにオーラ全開!左右対称の完成度の高いパーツ配置を持ち、極上のエレガンスを惜しみなく出しまくるクリスティーと、カラークリエイターに天才メイクアップアーティスト、ステファン・マレー(Stephane Marais)を起用し、空気感を切り取る技は天才的レベルのカメラマン、ピーター・リンドバーグ(Peter Lindbergh)が担当という、もの凄いミラクルなスタッフ構成。いったい資生堂側はギャランティでいくら払ったのでしょうか?なんてぶっ飛んでしまうくらい、美し過ぎて永遠の美!当時は何時間見つめてても飽きなくて、いつの間にかクリスティに恋していた気がします。

大学の帰り道、週に一度は資生堂カウンターに座り込み、クレ・ド・ポーのクリスティーのポスターやパンフレットを眺めに行っていました。通常に見る用に一冊と、保存用を二冊、毎回ビジュアルが変わる度に貰っていたのを思い出します。BAのお姉様方、マニアックな美大生にかまってくれてありがとうございました。(八王子そごう店)

写真修正技術などあまり進んでいない時代に、モデルの肌の極上さ、ステファンの神業とも思える繊細かつダイナミックな肌作りとカラーの組み合わせ、リンドバーグの絵画をも超える表情の切り取り方、全てが最高で今も自分の中では、ビューティーアイデンティティーの基盤となっています。

確かこの写真がクリスティー立ち上げの際に、メインビジュアルとして使われていた物だったと思います。クリスティー、24歳ですが、成熟した大人の女性を演じきっていて非の打ち所がない!クリスティーってデフォルトの状態で口角がかなり上がっているので、憂いというか聖母というか、強い表情なんだけど決して突き放す事はなく、安心感を感じられる顔だと思います。
この写真からは多くのビューティーフォトの技も学ぶ事ができて、上からの日差しを切って日陰で撮影する事で、こんなにまでも繊細で階調の豊かな肌のトーンが出せるんだ!と思ったものでした。


クリスティーのアイホールは変幻自在で、時に天使、時に悪魔とシャドウやラインの入れ方で何億通りの女性像を作り出す事が出来ます。今の若いモデルに足りないのはこの変身能力。何にでも成れちゃう素材としての優秀さと、作られたものにたいして脳で消化し、演じられる幅の広さがクリスティーには備わっています。日本のタレントモデルがいくら頑張ってもモードを表現出来ないのは、クリエイター側の作るものを消化出来ずに、自我を出そうとするからだと思われます。そんなことはさておき、この素晴らしくエンジェルフェイスのクリスティーにロマンティックが止まらない!18年前のビジュアルなのに、今見ても惚れ込んでしまう美しい表情です。メイクの淡いグラデ使いとヘアーのアンニュイなディテールが素晴らしい。


大学の平面構成の授業で、好きな写真を一枚選んで明度や彩度を勉強する課題があったのですが、この写真を選んでクリスティーと半年間向かい合いました。ドイツかぶれの教授に『この生活に疲れたような表情のモデルを何で選んだ?』と言われ、『見る目なさ過ぎ!』と心で思い、その先生を信じれなくなるという10代最後の年を送った記憶が蘇ります。
モノトーンはピーター・リンドバーグの得意とする分野なので、ビューティーと言えどもモデルの内面までも映し出しています。この写真はスキンケアラインのビジュアルとして広告になっていました。何かのインタビューで読んだのですが、ステファン・マレーも言うとおり、クリスティーってちょっと目の下にシャドウを入れると、一気にドラマティックになって表情に深みが増します。


この愛らしさと品のコラボレーションは、マリクレール誌面でメイキングが載っていたので、以下に掲載。ステファン・マレーは、アイシャドウが頬に落ちても平気なように、頬には多めのフェイスパウダーの乗せて、暗いアイシャドウの粉が落ちてもフェイスパウダーと一緒に払うという技を使うのですが、当時のメイキングやメイクプロセスなど読みあさり、良く真似っこしました。 リップラインも一度粉を乗せてから、口紅を乗せる事でにじみとクスミを同時除去。渋谷パルコの本屋で遭遇したとき思い切って話しかけたらとっても優しくて良い人でした。



ステファン・マレーを信じきって子猫のようにまとわりついているクリスティーにも萌えですが、同じカメラマンという立場からすると、ストロボも使わずにこんなに豊かな階調でメイクの質感も適度に出してくるあたり、ピーター・リンドバーグの実力の高さに感動でした。二年程でモデルはナジャ・アウアマン(Nadja Auermann)に交代してしまいましたが、クリスティのクレ・ド・ポーを超えるビジュアルは自分のなかではまだ出て来てないと思えるくらい、今でも心から好き!

最高級のビューティ写真であり、最上級のポートレート!!!

2012/04/22

一流スタッフでもこの有様!Photoshopでの修正ミスあれこれ。

現在多くのビジュアルがPhotoshopによる画像修正を行われています。ただ盛んに行われている顔のすり替えや、顔&ボディーバランスの修正、肌の修正などがやり過ぎてしまって、その悲惨さに気づかない写真がちらほら目に付くことも。そしてそれは何故か予算のあるだろう一流メゾンの広告や、一流フォトグラファーの写真で事故多発!トップとされる人達の仕事で修正不祥事が起きてしまうと、もうどうなっちゃっているの?誰も気づかなかったわけ?と、疑問を投げかけたい心境でいっぱいです。

ヴォーグアメリカの一年に一度の気合いの号である、2011年9月号では、目玉特集としてスーパーモデルのケイト・モス(Kate Moss)の結婚式の様子を独占取材。ケイトと仲良しカメラマンのマリオ・テスティーノ(Mario Testino)が式も同行し、スナップとファッションページ撮りおろしというメガスペシャルケイトブックなんですが、なんと裸で娘と抱き合うカットで、娘のリラの指2本が消えているという修正ミス発覚!!!!!
たぶんですけど、このカットはリラちゃんは右手を降ろしていたはずなんだけど、写真のバランス的に腕が入っていたほうが良かったので、別のカットから腕が上がっている写真のものを切り抜いて肘のあたりで繋ぎあわせている感じ。その際にケイトの背中部分のアウトラインを出すために、リラちゃんの合成用素材の指の部分までマスクをかけてしまったと思われます。良い写真なだけに、凄くもったいないですね。。。ケイトのお顔の修正は、結婚式の主役ってのもあり、許せる範囲内で綺麗。


 こちらはヴォーグロシアでのファッションページで、マルーン5のボーカルのアダム・レヴィーンと、彼女でモデルのアン・Vが1994年のアヴェドン&ベルサーチの広告のようなポージングで頑張っています。ですが!アダムのお腹が極細になってて上半身の逞しさからはあり得ないウェストに目が点!これもアンの右足を軸に、左側と右側のアダムの写真が違うものを使っている事を意味していて、お腹の設置する部分がどうにも結合してなくて女子より細い勢い!初歩中の初歩レベルなので、これはどうにかしていただきたい〜。せっかくアン・Vちゃんもお尻出したっていうのに、凄い脱ぎ損!!!



グゥイネス・パルトロー(Gwyneth Paltrow)が表紙のヴォーグアメリカ2010年8月号。この写真はうっかりしていると特に異変は無いように感じますが、普通この腰の向きに座った場合、右足はこの高さまで上がらないのが人間レベル。どう考えても10センチくらい右ももが長い人間に描かれています。こちなみにSeptember Issueというヴォーグの編集長アナ・ウィンターを追っかける映画を見たところによると、かなり表紙は顔を入れ替えたり、腕を入れ替えたり、口を入れ替えたりするそうで(笑)この表紙に関しても構図などの見た目やバランスにこだわるあまりに、人間としてのバランスを失ってしまったように思われます。ちなみにカメラマンはマリオ・テスティーノ様です。


2010年春夏のバーバリーキャンペーンは、女優のエマ・ワトソン(Emma Watson)を起用してマリオ・テスティーノ(Mario Testino)が撮影。この写真はニュースにもなっていましたが、エマの右足のひざから下が無いように見えます。もしかしたら男の子の左足にすっぽり隠れているのかも?とも思えますが、ちょっと不自然感が否めない感じ。逆に撮影した状態がこの状態であるならば、むしろ別のカットからエマのふくらはぎあたりを合成して、ちらっと膝下を感じるビジュアルを作った方がよいかと思われます。マリオ・テスティーノの専属レタッチャー(修正屋さん)、不祥事連発で別の人にした方が良い気がします。


 こちらはエンポリオ・アルマーニ(Emporio Armani)の香水『ダイアモンド』で歌手ビヨンセ(Beyonce)がイメージモデルを務める広告ビジュアルですが、本来こういう風に手と商品のカットを合成する予定のない体に合成しているもんだから、絶対的にあり得ない肩から腕のオカしい人間像が出来てしまっています。無理矢理合成するにも程があると言うか、ビヨンセ側もちゃんと確認するべき酷い広告。同じ写真を使って他のレイアウトで良いのはあったので、なんでこのビジュアルを作ったのが疑問って感じです。



 ドルガバ(Dolce&Gabbana)のコスメラインでは、合成と言うよりかは肌修正のやり過ぎで、本来あるべき影を消し過ぎてしまっていることで、鎖骨から肩にかけてのつながり感がもの凄く不自然に見えている一枚。基本的に化粧品や香水のビジュアルって夢と希望を与えるものなので、イメージ重視で修正も多めに入って不思議ではないのですが、やはり人間の構造からはみ出すような骨格に見えてしまうのは失敗と言われても仕方ない気が致します。ぱっと見は凄く綺麗でドラマティックなので、鎖骨の影と首のシワの消し過ぎを復活させて頂きたい。


スティーブン・マイゼル(Steven Meisel)が撮影した2010年秋冬ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)の広告では、メイクルームを再現して鏡がいっぱいの建て込み。肌のレタッチは軽めで、一流ブランドにしては好感が持てる質感で好きなんですけど、あろうことに右側に座っているクリスティー・ターリントン(Christy Turlington)のポージングと、向かって左後ろの鏡の中のクリスティーのポーズが違っている大惨事!鏡の中では、もっと前にかがみ込んでいて、右腕をひざの上で曲げている写真になっているので、右側に写っているクリスティーは、別写真と入れ替えが行われてて、鏡の中の合成を誰も気づかなかった危険な例。


これも同じ時期のルイ・ヴィトンの広告なんだけど、こちらは真ん中のナタリア・ヴィディアノヴァ(Natalia Vodianova)のポージングと、右端の鏡の中のナタリアのポージングが違ったものが使われている事!たぶんこれもクリスティーを入れ替えた事で、クリスティーの後ろにくっ付いていた鏡の部分も別写真のまま使用してしまったという入れ替えミス。鏡ってこういう時に、凄く面倒なアイティムって感じ。せっかくクリスティーが極上のスマイルでこっちを見てくれているのに、レタッチャーの意識が追いついていなく、そして天下のマイゼル様さえもこれに気がつかなかったというショッキングな事件。トップ中のトップメゾンでこういうミスがあるって、逆にちょっと安心はするけど。。。



ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)の香水『ライトブルー』の広告では、女性モデルのアナ・ヤゴジンスカ(Anna Jagodzinska)の左足の付け根がどうやらおかしいようで、向かって右側(モデルの左腰)のビキニの紐の見え方がなんとも不思議。左足だけ入れ替えたのでしょうか?(ここまで股広げなくても・・・。)こちらも例外なくカメラマンはマリオ・テスティーノ巨匠でございます。



 最後はヴァニティー・フェア誌に掲載された、映画監督サム・メンデス(Sam Mendes)と女優のケイト・ウィンスレット(Kate Winslet)の素敵なポートレート。カメラマンはどんな女優や俳優、ミュージシャンまで黙らせる力を持ってる、アニー・リーボヴィッツ(Annie Leibovitz)。一見、雰囲気良くって写真のトーンもシアンがかって落ち着いた感じで好きなんですけど、なんとサムが!サムがシャツしか着ていないはずなのに!ケイトの肩に回した腕にはしっかりとジャケットが写っています!!!一瞬、着替える途中?とか思ってみたんだけど、そんなはずは絶対にないとおもうので、合成のはず。おそらくジャケットを有無で撮影してて、腕を肩に回したカットのほうがバランスがよかったので腕を合成してみたものの、コーディネートの違いまで見ていなかったという落とし穴。アニー・リーボヴィッツは自然に見えてもかなり合成を施すので有名ですが、これは珍しく粗が出てしまった一枚です。でも合成ミスだったとしても、写真が猛烈に美しくて、ポートレートといったらアニー!と名前があがる理由が痛い程わかる気がしました。


自分でも撮影した写真をこのように合成したり、肌修正したり、顔や体のバランスを整えたりするんだけど、人間の骨格として成り立っているのかってのが大きな基準になっているように感じました。肌の修正は企画や雰囲気によって濃度を使い分けていて、それはそれでやり過ぎも良いと思っているんだけど、骨格だけは人間であって欲しいと改めて思いました。