2012/10/26

2013 Spring/Summer イヴ・サンローラン改め、エディ・スリマンによるサンローラン(Saint Laurent)コレクション

ディオールのラフ・シモンズと共に、今シーズンのパリコレクションの話題だったのが、サンローランのコレクション。以前にメンズのデザインで一世を風靡したエディ・スリマンがカムバックし、初めてのレディースをデザインすると言う事で、大注目なショーでした。

この歴史あるフランスのメゾン、イヴ・サンローランから『イヴ』を取ってしまうというあってはならない事を早々と仕出かし、何食わぬ顔で拍手喝采の大成功。いつの時代もスターデザイナーというのは存在するものですが、まさに今乗りに乗っていると感じたエディ・スリマン。サンローランファンのカトリーヌ・ドヌーブ様にも(身を引き締めて)是非着て頂きたい〜。


ファーストルックですでにサンローランであり、エディー・スリマンそのもの!といったデザインを披露!!!YSLのシグネチャーであるスモーキングをリデザイン。ペンシルパンツに合わせたショルダーの小さいジャケットがなんともエレガントで、強さと気品を放っていました。


その後はじゃんじゃかとYSLのエッセンスを出し惜しみすることなく詰め込み、サファリルックやら花柄なども往年のYSLのファンさえも納得させるデザインでありながら、現代のスプリットを盛り込み、一瞬でトレンドルックになっているのがさすがの神業。彼の持ち味のロックなテイストをエレガンスにぶつけた事が、よりフレッシュに、よりエディに見せているのではないでしょうか?
ディオールメンズ時代も大人気だったエディー・スリマンの作るジャケットは、ニコール・キッドマンをはじめ、ハリウッド女優なども着ていた通り、仕立てが美しくて完成度が高い。なのでロックのパンチが入ろうが、全体像はとてもリッチでエレガンスを失っていないのが素晴らしい点でした。

なんか数年後、カール・ラガーフェルドの後継者として、シャネルとかデザイン出来ちゃいそうな勢いな気がしてしまう。



ラストは魔女ルックの乱れ撃ち攻撃に会場圧巻!!!ヒッピーテイストも、お得意なロック魂炸裂で会場は盛り上がっているようでした。妊婦さんもどんと来いな緩やかなデザインは、幅広い年齢層にも対応可能ですね。。。




『イヴ』は取らないで欲しかった。。。

2012/10/25

2013 Spring/Summer ラフ・シモンズによるファーストDIORプレタポルテ

またまたパリコレクションから時間が過ぎてしまいましたが、今回のパリコレハイライトの1つ、ラフ・シモンズによるクリスチャン・ディオールのコレクションが行なわれました。

先日のオートクチュールデビューに続いて、今回は一般消費者にお目にかかるというプレタだということもあり、話題騒然のプラチナチケット。ミニマリストの宿命なのか、至って派手な演出はなく、7月のクチュールでのデザインの簡素版+αなデザイン。ディオールのアーカイブをスパイスに、ラフ・シモンズのスピリットを感じる事が出来ました。

トップを飾ったルックは、この上なくシンプルなジャケット&パンツのセット。首にはピークドラペルと同じ素材の光沢感のあるスカーフが巻かれ、ウェストのあたりにややディオールのニュールックを思わせるラインが感じられたもの。袖口の長さ、パンツ丈などにラフ・シモンズの解釈がたっぷりと詰まっている歴史的ファーストルックとなりました。



その他には、反射素材で作られたミニワンピやスカート、アシンメトリーワンピ、ネオンカラーに振り切ったケミカルドレスなどなど、ミニマムデザイナーらしさ炸裂。ラストのドレスはエレガントな薔薇柄を難易度高い玉虫系光沢処理をし、トップスは至ってシンプルな薄地ブラックニットの装いってのが、2013年のディオールのコーディネートなのか〜と言った感じでした。

個人的には、マックイーンのように、怖いとか汚いとかのアイティムをこの上なくエレガントに見せる手法は好きなんだけど、今回のディオールは、綺麗であるはずのディオールが、ミニマリストが仕込むさりげない技でミスマッチだったりアグリーに見えたりする部分もありました。こんな部分にこんな処理しなくていいのに〜、、、みたいな。。。


まあ好き嫌いはあるとしても、あの巨大メゾンのディオールが、ラフ・シモンズを採用したって事が凄い事で、この先沢山の顧客達を納得させれる技量があるかないかは、数年先になるかもしれません。長い目で見守り系。




なんかチープに見えるのは、ミニマムだから?それとも素材感?ガリアーノが盛り盛りだったせいの呪縛?近くで手に取ったら美しい物であって欲しい〜。ちなみにとがった靴とウルトラマン系グリッターメイクは凄くかっこ良かったです。

プレスやバイヤーには猛烈に評価が高く、関係者の間では絶賛なんだそうです。

2012/10/21

Interview Magazine 10月/11号 ブラッド・ピット(Brad Pitt)の驚愕5変化!by Steven Klein

インタビューマガジン(Interview Magazine) 10月/11月号の巻頭特集では、スティーブン・クライン(Steven Klein)によるブラッド・ピット(Brad Pitt)の5変化!


その存在感、ちょっとした動きの中に見え隠れするナイーブな表情、どんな装飾やメイクにも負けない強さ。もうすぐ50歳だというのに、この少年ぽさと貫禄の入り交じった魅力はなんなんでしょうか?生え際の充実っぷりも羨ましい限り!






スティーブン・クラインはゴシックやホラー、怖いくらいの未来シチュエーションなどを描くのが得意なカメラマンですが、こういった原点に戻ったポートレートも素晴らしく味があり、全て力強いアプローチ。上手く小物やメイク、スタイリングでそれぞれのイメージを作り込んでいて、ブラピの何気ない動きやはかなげな目線を切り取っているのが素敵です。


青緑がかったいつものホラートーンは影を潜め、モノクロのペーパーバックがシンプルで新鮮でした。皮膚のごつごつ感など、レタッチし過ぎてない描写も男らしくてカッコいい!

2012/10/18

2013 Spring/Summer ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton) ダミエ柄のクレイジーコレクション!

パリコレクションが終わってだいぶ時間が経ってしまいましたが、2013年SSのルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)のスペクタクルショー、お得意のダミエ柄炸裂でミニマム60年代な展開に大興奮。

一ヶ月程前に行なわれた、デザイナー、マーク・ジェイコブス本人のコレクションはストライプオンパレードだったのに対し、ルイ・ヴィトンのほうは格子柄多用で60年代という時代テーマは同じアプローチ。フォルムもクレージュを思い起こすような四角いシルエットや、ボックス型スカートやワンピが続出で、60年代にタイムスリップ。

細かいダミエから大振りなダミエまで、様々なサイズ展開。カラーパレットは白と黒を基調に、フューシャイエローやグリーンを差し色にしてクレージュ感を彷彿とさせていました。
アクセントとして花柄のシルエットが出て来ましたが、そんなの忘れてしまうくらい、ダミエ柄一押しのコレクションで、間を交互に切り抜いたシースルーダミエまで!!!

個人的にはドレスの提案がほぼなかったのが残念なところ。形もボックス系のデイウェアばかりだったので、もう少しレッドカーペットでも通用するようなドレスも見てみたかったな〜なんて。
バッグはさすがのルイ・ヴィトンだけあって、ヴェルニ加工されたダミエが施されたスピーディーや、箱形のバッグは人気沸騰間違いなしの可愛さ。遊びだけでなく、フォーマルな席にも対応可能な上品さを醸し出しているのは、ルイ・ヴィトンという巨大メゾンの力量のように感じました。



ブロックチェックで思い出したのが、1995年のヴェルサーチ(Versace)。この年はジャンニ・ヴェルサーチが幾何学模様に凝っていて、クチュールもプレタも60年代炸裂でした。
マーク・ジェイコブスの色気を排除したクリーンなデザインとは対局で、60年代風な幾何学模様でも官能的に見せているのが比べると面白いです。(写真は1994〜1995年のもの)





写真よりムービーものほうが、エキサイティング!会場には四台のエレベーターが配置され、わずか6分で終わったというコレクションにここまでお金をかけているのも、この時代に凄い事です。

ヴィトンのコレクションラインって、猛烈に値段が高いんですよね〜。(バッグ30万とか、、、。)
欲しいけど、宝くじ当たるまで買えません。


2012/10/06

2013 Spring/Summer ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)、シチリアスペクタクル!

2013年 Spring/Summer ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)のコレクションの素晴らしさと言ったら、、、毎度の事ですが現実逃避するにはもってこいの美しさと優雅さとファンタジー。服に夢があるって本当に素晴らしいことで、それが無くなってしまったら、全てがリアルクローズだったらと思うと、ファッションってどんなにつまらない物になってしまうのかとさえ考えてしまうくらい、今期もドルガバ気合いのコレクション。

今回は大きく三つのカテゴリー(ストライプ、プリント、ファブリック)に分かれてて、それがミックスされてプレゼンテーションされました。

 マーク・ジェイコブスにも多く見られたストライプですが、ドルガバでももの凄い量のデザインが発表されました。マークの60年代モードの雰囲気とは違って、こちらは陽気なシチリアンクラシック。トリコロールカラーを取り入れていますが、THEマリンルックになってないのもドルガバの特徴のような気がしました。モスグリーンやマスタードカラーが入ったストライプドレスは、ネオクラシック・サマードレスといった感じ。
トレンドの袖周りにゆとりのあるデザインもバランスよく、より一層、ウェストのシェイプが効いてきます。



 前回のコレクションではバロックを打ち出し、花柄も多用していましたが、今回はさらにカラフルになり、馬車や鎧を着た兵隊などの絵柄が描かれたファブリックに進化。どんな模様が来ようが絶対的にドルガバに見せているセンスが素晴らしく、いくらドギツイ配色でもヴェルサーチに見えないのが彼らの持ち味。


今回のショーでは、小麦でも入っていたかのような麻袋のような素材でドレスを提案!さらには十八番のブラックレースのドレス群にプラスαで、カゴなどに使われる藤の素材が使われ激震!!!
コルセットに編まれて登場したり、クリノリンスカートになってレースと組まれてたりと、アイディアの冴えも見事なものでした。もちろん着る人はいないにしろ、こういった遊びをショーやコレクションイメージに盛り込んで来る力量が、最近の若手にはないものなので、うっとり度数が違ってきてしまいますね。





動画でみるとその細かいディテールのこだわりがわかりますが、ストライプもただの布へのプリントかと思いきや、中にはぎっしりのビジューを乗せた物や、プリントドレスも石だかなんだかがこぼれ落ちそうなぐらいくっ付いているものも、どさくさにまぎれていました。イヤリングも個性的だし、バッグに至るまで、トータルコーディネートも完璧。

いつも思うけど、金さえあればドルガバ毎シーズン買い込んでみたいです。レディースの服に関しては、コレクションして飾っておきたいくらい、芸術品の域に達している勢いに脱帽!

姉妹以上。リンダ・エヴァンジェリスタ(Linda Evangelista)とミラ・ジョボヴィッチ(Milla Jovovich)

似ているかも!と、気になっていた二人、スーパーモデルのリンダ・エヴァンジェリスタ(Linda Evangelista)と、女優とモデルを両立させているミラ・ジョボヴィッチ(Milla Jovovich)。なんだかこの二人、お顔の造形が近いせいか、同じようなクライアントのお仕事が多かったり、同じカメラマンに気に入られていたりと仕事内容も似通い気味。

年齢が10歳程ちがうので写真を撮った時の時代性は無視して、似てる表情で集めてみました。

 こちらは意外にも仲良しな演出をしているお二人、向かって左がスーパーモデルの元祖女王リンダ様。そして向かって右がバイオハザードの主役で11歳からモデルもやっているミラ。おそらくこれはロレアルのパーティでの一コマだと思いますが、瓜二つと言っておきながらこの状態だとあんまり似てないですね。。。



 で、こちらが二人とも契約をしているロレアルのキービジュアルでのカット。お顔も似ているのにほぼ同じポージングをさせるなんて、なんか作り手側に企んでいる人がいそうな感じ。ロレアルお決まりのエアースプレー多用のレタッチで肌質などは感じ取れませんが、爬虫類を思わせる反り返った上唇はこの時点でかなり似ています。


 この域までヘアメイクで作り込まれると、よっぽどこの二人を知っている人でなければ、同一人物と思ってしまうのではないでしょうか?目のつり上がり具合、半開きの口元から見える歯の分量までかなり近い状態。基本男顔な二人なので、この手のリーゼントはすこぶる似合ってしまうので作られがち。リンダのほうが、お直しとレタッチの分量が多そうで、肌質は固そうに写っていますね。


これはプライベートでの写真比較。リンダが可哀想なくらい眩しい顔になってしまいますが、この写真に関しても、そり込み部分の禿げ上がり方や、小鼻のつり上がり加減など、似ているとこが多く発見出来ます。 アゴのフォルムなんかも相当近いかも。


こういった男前の顔立ちの二人ですが、揃ってボブベースの可愛いウェーブヘアで登場。チークの分量も合わせてお揃い感増してますが、ミラのほうが眉毛を鋭角に描く傾向があるけど、リンダ程強くみえないのは、目が少しリンダより垂れているから? 甘辛な雰囲気で、二人ともチャーミング。



 リンダはシャネル、ミラはセリーヌのアイウェアの広告に登場のお顔です。これはかなり姉妹と言っても言い過ぎではない程、輪郭のアウトラインやパーツのディテールがそっくりさん!唇がやっぱり激似。









 程よく女性的なヘアメイクを施されている二人。この写真だけで比較すると、ミラノ方が少し幼く腫れぼったい感じ。リンダは1つ1つのパーツの完成具合と0.1ミリ単位で精工していると思われる配置が素晴らしい。鼻の穴はエグレかえっていてむしろ欠点と言わざるを得ないフォルムであるものの、それをダメと言わせない圧倒的なパワーを持つリンダ。ミラはリンダと同じようなパーツではあるものの、若干オブラートに包まれた滑らかさで丸みを感じるディテール。だからこそ、完全モデルではなく女優の世界でも通用出来ているのかもしれません。


最後は、カメラマンは両者同じくピーター・リンドバーグ。リンドバーグはこの二人を良く撮影している事でも有名ですが、男っぽいヘアメイクにして撮る事も多く、二人ともはまり役。リンダのほうは時代性もあり、バブリーな演出。ミラはロックの要素が入り、ブラピ的な廃退感。似ている似てないというよりは、男装が見事ハマるのが共通点。



ファッションの撮影では、モデルを往年の女優に変身させたりするのは良くある事なのですが、もともとのパーツが似ている二人のそれぞれの存在位置が見ていて面白いです。
最近は元祖スーパーモデルと、現代のトップモデルが似ている場合も多く、またの機会にまとめてみようと思います。

2012/10/03

2013 Spring/Summer グッチ(Gucci)はワントーンコーディネート炸裂なアーリー70’S!

個人的にはパンチがあって見てても楽しいし、ちゃんと着れる服の提案が多いので、ミラノコレクションが好きな理由なんですが、今回のグッチ(Gucci)もやってくれました!

スーパーモデルのアンニャ・ルービック(Anja Rubik)がトップを歩いた瞬間、その時代感は猛烈に感じ取れて、次々と押し寄せる原色の洪水とラッフル多様なクラシカルなディテールに目を奪われました。60年代後半から70年代後半に多く見られたチュニック&ワイドパンツ、袖周りの豊かな布使いなど、リチャード・アヴェドンの写真にも多く見られた懐かしさ!

そして各色に取り入れられた花模様のプリントは、日本の壁紙を参考にして作られたそうで、菊の花のようにも見えます。プリント以外は本気で単色コーディネートばかり。たまに出て来るパイソンやスネークなどの爬虫類系はお出ましするものの、大変女性的で上流階級の人しか着こなせないオーラが出ていました。


最後のと黒のドレス群達も鳥肌がたつ動きにノックアウト!単調なデザインにも見えるんだけど、かなり計算されつくしたワッフル使いが、揺れ動く度にエレガンスエッセンスを振りまいて悩殺させてくれます。


時代感はこんな感じでしょうか?ジャクリーン.ケネディやアラフォーの頃のヘップバーンもこんな着こなしでしたね。日本人には難しいワンカラーコーディネート、見る分には素敵です。




優雅で大変スタイリッシュ!是非レッドカーペットでスレンダーな女優さんにチャレンジして頂きたい感じ。全然関係ないけど、最後の黒いドレスは熱帯魚のブラックゴーストそっくりでした。

2012/10/01

2013 Spring/Summer バーバリー・プローサム(Burberry Prorsum)

ロンドンコレクションの花形と言えばのバーバリー・プローサム(Burberry Prorsum)。前回のメンズコレクションでも見られたメタリックな素材を多用し、カラーパレットも虹色でカラフル!40年代的なクラシカルな要素と最新素材のコラボレーションは、バーバリーというフィルターにかけられ、大変魅力的なプレゼンテーションに仕上がっていました。


お馴染みトレンチの最新型の提案はもちろん、どのコーディネートも欲しい物ばかり。ピーコックカラーのドレスやディテールも加工技術が素晴らしくクローズアップで見てみると職人技に言葉を失う勢いでした。未来的な素材を多用しつつもプラダのようにアートに行き過ぎないバランス感覚が良く、ちゃんと女性である事のマーキングポイントが正しい方向に行っているからなのかなと思いました。ゆったりとしたケープや袖周りはトレンドなので、バーバリー・プローサムでもかなり多く使用されていましたが、ウェストやバストのラインを完全無視するのではなく適度に『女性らしさ』を取り入れているのが好感が持てました。

バッグはすべてドクターズバッグのありとあらゆる素材の提案で、見ている方も飽きない素晴らしさ。メタリックなバッグはいつものコーディネートに合わせるだけでも、とっても今っぽく新鮮に見える事間違いなしのアイティムでした。




オープニングに天井がグワーッと開いて明るくなり、ファーストルックのモデルが歩くシーンは興奮いっぱい。ラストのモデル全員集合キャットウォークもカラフルなトレンチが凄まじく魅力的に見えました。

今期もマリオ・テスティーノが広告ビジュアルを撮影するかと思いますが、この素材感をどう表現するのか楽しみです。