2012/03/29

Another Man ケイト・モス(Kate Moss)のヌード

2012 Spring/Summer Issue14のAnother Man マガジン コレクターズエディションで、スーパーモデルのケイト・モス(Kate Moss)がガツンとトップレスで妖艶ファッションヌード。写真はイギリスの奇才ニック・ナイト(Nick Knight)!!! この二人、時たま組むのですが、そのトップ×トップのコラボレーションの勢いは凄まじく、いままでもヒット作品を世におくってきただけあり、今回も意表をついたグラフィカルな見せ方。次元を超越した合成感と、写真はあくまで強くクラシックに撮っているのが素敵。


ネットのニュースで『ケイト・モスがトップレスで表紙に!』とかって見出しで出てたけど、ケイトならこれくらいは朝飯前のいたって普通なビジュアルなので、ポルノ的にしかみていない世の中の記者にげんなり。それにしてもケイトってほんと写真になると神々しいというか、不完全な顔や体のはずなのに、ちゃんとファッションしているのは何故なのかとても不思議な存在。




ニック・ナイトは毎度斬新なビジュアルを作り続けてて、それはそれは本当に尊敬の域にまで行ってるお方なんですけど、今回は時空を曲げたようなモデルの比率の歪みや、重力をねじ曲げた不思議な空間やらを作り出し、一筋縄では見せない工夫が満載。ソフトなライティングなんだけど、陰影を大きく付けたモノクロ写真がこれまた素敵で、ケイトの表情豊かな顔の凹凸や、黒人モデルの筋肉のディテールの出し方も良い感じ。ニック・ナイトのアイディアソースってどうやって湧き出るのか、知りたい。




2012/03/20

2012年Fall 猫も杓子もゆとり設計、スーパービックシルエット!

先日行われた2012年のコレクションのトレンドとして、肩や腕のあたりがやけにデッカいビックシルエットや箱形のシルエットが目立っていました。ここまで大きくする必要があるのか?と疑問を抱くブランドもありましたが、体形を気にせずいろんな世代にアピール出来るという点では、幅広い層に売れるのかも。個人的には女性的フォルムを感じさせない服はあまり好きではないので、こういったラインは苦手なんですけど、、、トレンドって事でまとめてみました。


 ニコラ・ゲスキエール(Nicolas Ghesquiere)のデザインするバレンシアガの今シーズンは、レトロ&フューチャーなテーマはそのままに、グラフィカルにパターンを取った服のオンパレード。全体にハリのある固め素材を使い、腕周りなどに大きさを持たせ今シーズントレンドの代表的存在。色もフューシャピンクのさし色がかなり効いています。


 若干25歳にして人気のブランドバルマン(Balmain)をセンシーズンから引き継いだオリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)。若いながらにイケテルデザインを発表し、今までのバルマンファンにも期待を裏切らないクオリティー。今回は基本スリムでタイトな部分はそのままに、アウターのみをビックシルエットにデザインし、今までととちょっと違った新鮮みをプラス。マイケルのスリラーで着てたパッド入りスクエアジャケットなどもデザインに取り入れて、80年代感も現代アレンジ。10年ちょい前くらいのバレンシアガのデザインっぽくもありますが、総評して素敵に仕上がっていると思います。


 フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)がデザインするセリーヌ(Celine)は、デザイナー本人が第三子妊娠中とのことで、コレクションをキャンセルし、プレスとバイヤーのみだけ招待したプレゼンテーションで作品公開。その多くは妊婦さんでもご機嫌で着れるような超ビックなコートで始まり、全てがビック。丈の短いパンツを合わせる事で重くなりすぎないようバランスをとっているようですが、ここまでコートの肩がデカイと、採寸間違えたのかとさえ思ってしまいます。トレンドではあるけど、ちょっと行き過ぎな予感。


誰もが憧れるメガブランドのシャネル(Chanel)でさえも、今シーズンは肩の落ちたビックコートが多く見られ、全体にゆとり設計。肩のあたりが折り紙調の構築的デザインを取り入れたデザインも出ていますが、、、こういうのどうなんだろ、着にくそう。全体的にオバサマにうけるようなデザインのセーターやアウターがいっぱいなので、世界的に売れそうな予感大。靴がオサレ。


 若い世代に圧倒的支持のクロエ(Chloe)もいつもより大きめサイズでコンフォータブリッシュ。素材使いが柔らかめなので、肩のラインや腕周りが大きくても、そんなに威圧感なく着れて、さすがの設計。こういうビックシルエットなら是非取り入れてみたいなと思う。カラーパレットも素敵。


出ましたコムデギャルソン!デザイナーの川久保玲さんがデザインするギャルソンは、たびたび不思議シルエットをだしますが、今回は全てのコレクションの中でもウルトラビックで一位二位を争うデカさ!個人的にはギャルソンの服は、日常服と思っていないのでアートとして見てしまうのですが、そういった意味では大変面白く美術館に飾られそうな勢い。街で着れる勇気のある人、いるんでしょうか?


デザイナーがゴルチエからクリストフ・ルメールになってからのエルメス(Hermes)は地味になったのであまり騒がれませんが、個人的にはルメールのスピリットが感じられて凄く好きなデザイン。ビックシルエットも取り入れているんだけど過剰過ぎずにとても良いバランス。レザーのしなやかさはさすがのエルメスブランドって感じで大変美しいです。


最後となったラフ・シモンズ(Raf Simons)がデザインするジル・サンダー(Jil Sander)のコレクションは、終始ビックなコートが合わせられラグジュアリー。ボタンすらない一枚仕立てのコートは大変美しく、往年ハリウッド女優のようで品格が漂っております。インナーをそこまで大きいデザインにしないことでバランスをとっていて、メリハリ効果絶大。


アルベール・エルバス就任から10周年を迎えた大人気ブランドランバン(Lanvin)は、人気のフリル使いのドレスはやや控えめにして、戦闘能力高めなビックボディコンやらビック襟コートが多発してトレンド満載。二の腕のあたりの布使いを大きくすることで瞬時に今シーズンを代表するシルエットになるのが不思議。大きめだけどちゃんと腰を絞って女性ラインをだしているのが素敵だと思います。


マックイーン亡き後、サラ・バートンが引き継いでデザインをしていますが、今回はファーやフリルなどを駆使したスーパービックシルエットで攻める姿勢を忘れずアレキサンダー・マックイーン(Alexander Mcqueen)を継承。どちらかというとギャルソンと同じく美術館入りなお召し物ですが、個人的には大好きなのでマックイーンは興味津々。スーパーボリュームを膝上でまとめあげる提案はマックイーンのみで、重さと軽さのバランスも優秀。ホコリ取りのハタキにも見えるドレスは、笑いを通り超えて会場を圧倒しております。全員白髪のウィッグを付けているのもシャープでかっこいい!ストレスなのか、サラ・バートンが激太りしていたのが心配モード。


 みんな大好きマーク・ジェイコブスのデザインするルイ・ヴィトンの今シーズンは、ビックでありながらも箱型ではなくAライン調で他のブランドとは一歩先を行くトレンド提案。どちらかというとプラダの方向性に似ているのですが、マークが好んで使う大きめシルエットは、金持ちマダムにも受ける事間違い無し。会場には本物の汽車が設置され、モデルのすぐ後ろに駅員役の男性モデルがカバンを持って歩くのですが、服よりもカバンがとっても素敵でした。


一年前のデザインが猛烈大ヒットを飛ばしてから、ハリウッド女優にも好まれて着られてる事の多いステラ・マッカートニーの今シーズンは、メンズライクな仕立てでコートもセーターも2サイズくらい大きめにデザインしたフォルムを提案。グレーのグラデにビビッドカラーを配したカラーパレットは、曇りがちな秋冬の服にアクセントとなり美しく栄えています。写真3番目のニットワンピのフォルムは新鮮で、オーソドックスな素材をうまく現代的にアレンジしていると思います。



個人的にはたまにやってくるビックシルエットのブームってのが凄く苦手なんだけど、ワンサイズ大きめくらいで取り入れてみても良いかと思いました。あとは軽さを色で入れたり、パンツの丈で取り入れたり、どのようにとりいれるかがポイントのようにも感じます。全部ビックにすると日常的には大変な事態になってしまうので、ワンアイティムで取り入れるのが安心かもです。


2012/03/17

2012Fall クリスチャン・ディオール(ChristianDior)の予定外の美しさ

ジョン・ガリアーノが人種差別発言をし、長年務めて来たクリスチャン・ディオールのデザイナーを解任された事件からもう一年。その後もクリエイティブ・ディレクター不在のままオートクチュールや春夏のコレクションは作られてて、特に最初のクチュールは素人が見ても酷く醜いデザインで、まるでお遊戯会のクオリティとまで言われて散々でしたが、今回の2012年秋冬のコレクションは打って変わって品格のある美しいデザインで、まとまり感もあって予想外に素敵でびっくり!現在はジョン・ガリアーノの右上だったビル・ゲイテン(Bill Gaytten)が仕切るデザインチームが作っているそうですが、なかなかのエレガンス。テーマをバレエにし、カラーパレットも絞った事が勝算につながった様子。


ところどころにディオールのニュールックを思わせる腰にボリュームを持たせたシルエットも登場。なおかつ良い意味でランヴァン的、セリーヌ的な現代的なモード感と軽やかさを兼ね揃えたデザインに、うっとりしまくり。ガリアーノ解任以降、びっくりするくらいまとまりのないコレクションをだして来てたので今回もノーマークでしたが、クリエイティブディレクターがいないのでダメだと思われている中、このコレクションはかなり洗練された感がして、メディアでも好評価を得たようです。


イブニングのドレス達もまさにトレンド。オーガンジーで繊細なドレープを作ったフルレングスのドレスは、胸元にシースルーで濃淡を付けたり、ところどころにリボンフォルムやビジューをつけたりアクセント。ここらへんにもバレエのチュチュを思わせるはかなげな雰囲気が素敵に見えました。


ガリアーノの後任探しで話題騒然なまま二シーズンが経過。売り上げも落ちていないので、このまま現在のビル・ゲイテンのままでも良いという意見も出ているとか。確かにガリアーノの時とは違う意味で、こんなロマンティックなコレクション作れちゃうのであれば、ビル・ゲイテンが引き継いでもありな気がしました。

2012/03/16

V magazine 76号 ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)のこん盛りボクサーモード!

姉さん世代が元気なこの世の中、ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)も久しぶりにお転婆系。V magazine最新の76号で、勢い余ってボクシングモード展開!カメラマンには、セレブ御用達ファッションフォトグファーのマリオ・テスティーノ(Mario Testino)、スタイリングにはカリスマスタイリストのカリーヌ・ロワトフェルド(Carine Roitfeld)の間違いなしのゴールデンコンビ。リーゼントに決めたグロッシーヘアで、勇ましくポージングのジェニファー・ロペスの存在感にノックアウト!


表紙でこの股間プロテクター付けたスタイリング披露しちゃうんだから、ジェニファー・ロペスの肝っ玉の座りっぷりに驚きを隠せません。はっちゃけ娘に見られがちですが、お顔はもの凄く上品に作られてて、この人のフェイスラインの綺麗さったら、未だかつてない程クール!ほほ骨からのシャドーも美しく美ライン炸裂。スタイリングがカリーヌだからなのか、テスティーノがラテンのノリでやっつけちゃうのか知りませんが、この世代(42歳二児の母)にしてはあっぱれ!

 『今日のスタッフ、イケテルからなんでも言う事聞いちゃうもんね!』ってロペス。『かかってらっしゃい!』

 構えているポージングはまだ見れるけど、真ん中のはだいぶお笑い芸人調で凄まじくオカシイ!なのに、ビューティ!どうするよってくらいの品のあるボディーのツヤといい、へんてこりんなのに色っぽいっていうミスマッチが、ナイス。

左のモノクロ写真のスタイリングは、カリーヌお得意系で昔からよく見るバランス。上半身裸でブリーフとか合わせてジャケットだけみたいなの、よくやりがち。これってやっぱり上品なお顔がくっついてないと絵にならないので、Jloの品格とパワーを感じます。右はやってはいけない股間ホールド。42歳乙女は手は腰に!


 左写真はさておき、右のモノクロジェニファー、なんだかとびきりビューティーに見えてならないです。凄く美しい。もともとこういう骨格&フェイスラインに惹かれるので、ときめきフォルム。

赤とモノクロのページ構成もグラフィカルで綺麗でした。ライティングはシンプルに前から1灯しか使ってないんだけど、こんなに魅力的に見せれるなんて、テスティーノとカリーヌコンビ健在って感じ。表紙買い!

マドンナ(Madonna)、トゥルーオアデアでシューズライン展開と、4年振りのNEW ALBUM『MDNA』3/26日発売!

マドンナの快進撃は止まる事を知らず、2011年に開始したオリジナルブランドトゥルーオアデア(Truth or Dare)で、シューズラインを販売すると発表しました。マドンナのスタイリストを務めていたアリアンヌ・フィリップス(Arianne Phillips)がコンサルタントで入り、マドンナが今までに履いて来たシューズをイメージしてデザインをおこしているんだそう。それが写真でしかみてないんだけど、結構デザイン自体はエレガントなんだけどエッジもかなり効いてて、個人的にはかなり好きなテイスト!もちろん今までマドンナが履いて来た一流ブランドの素敵な靴を想像しながら(もしくは見ながら)デザインしているので、いやでもセンスの良いものは出来ると思うんだけど、値段設定も89ドル〜349ドルとなかなかリーズナブルに押さえられてて、手にしやすくマドンナ気分にもなれるラインになりそう。今年の秋から発売だそうですが、日本に入って来るのかは未定系。




そして四年振りとなるアルバム『M・D・N・A』を引っさげて今年はワールドツアー開始。53歳とは思えないパワーに尊敬すら感じ、話題性の提供やビジュアルコントロール、お顔のメンテナンスにおいてまで、完璧!CDジャケットも衰退するどころか攻めまくりで美し過ぎ。



 今回カメラマンはマート&マーカス(Mert&Marcus)の黄金コンビ。今マドンナを一番綺麗に魅力的に見せる事のできるカメラマンだと思います。マドンナとしての強さが良く出たビジュアルでため息。ほんとにマート&マーカスの赤と緑の色使いが大好きで病み付き。アルバムで着用の赤いワンピは2012年春夏のアントニオ・ベラルディ(Antonio Berardi)のものだそうです。

マドンナってお肌自体の修正は大変そうだけど、もともと持っている骨格がエレガントで美しいく気品を放っているので、修正後のフォルムの完成度がもの凄く芸術品並みに行き着くのが素晴らしいです。目線の流し方とか、若い子にはだせない迫力と落ち着き。いつの時代もマドンナはマドンナって感じで発売が楽しみです。

3月26日、世界同時発売!!!

2012/03/13

2012年秋冬メンズコレクションから欲しいものリスト

2012年秋冬のメンズコレクションを見直してて、実際に(お金さえあれば)欲しいコーディネートをピックアップ!

今回なんといっても素敵に見えたのはドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)!グレーの濃淡を基本にとっても着やすそうな服のオンパレード。ディテールにこだわりが見られ、五分丈のニットなんかは特に素敵に感じました。全身グレーと焦茶の小物の組み合わせはアラフォーにも難なく着れるコーディネートなので、是非参考にしたい感じ。


バーバリープロッサム(Burberry Prorsum)はまさに今気分のコーディネートが満載で(お金さえあれば)無理なく取り入れられそう。別珍やニットが多く見られ、クラシカルなフォルムにやや可愛いディテールを配し、やり過ぎモード君にならずにアラフォーにも対応可能。ほぼ全てのコーディネートにキャスケットをかぶせていたのも印象的でした。茶系やグレーをベースに、からし色やターコイズ色をポイントで入れるのも、なんだか新鮮で好きな感じ。


海外のエディターやスタイリストに圧倒的人気のバルマン(Balmain)のメンズ版。コーディネート自体には奇をてらった技などはあまりないですが、細やかなサイジングやフォルムのこだわりが今っぽさをかもし出してて素敵に見えています。右から二つ目や最後のコーディネートは自分でもいけそうな気もしているんですが、なかなかブーツインってのがイケイケっぽくて踏み切れなく、、、でもモノトーンならやり過ぎな痛いおじさんに見られない気がするのでやってみたいかも。


グッチ(Gucci)は本当に質の良さを感じさせるコレクションでした。1つ1つのアイティムの完成度が高く、値段さえなんとかなるのであればいろいろ買ってみたいブランド。特にアウターの充実度は素晴らしく、モード君しすぎない定番型も多いので取り入れやすいと思いました。パンツのピタピタ感だけは個人的に絶対無理なので、ややゆったりめにアレンジしたいところですが、ディープトーンのカラーグラデも美しく、若い子は逆に着れない重厚感が素敵です。



ランバン(Lanvin)は、やや丸みを帯びたシルエットながらも、強い印象のコレクション。つなぎやライダースなども多用され、ブーツも特徴的でした。


イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)はステファノ・ピラーティ最後のコレクションということで気合いのスーパールック!モノトーンで攻めまくりですが、その素材は多用化してて飽きないデザイン力。レザーを多く使っているのも今期のトレンドですが、スーツのへムラインや襟にレザーを配しているのはデザイン的にとても綺麗。シルエットもオーバー過ぎずスリム過ぎず、ダンディなアラフォーにピッタリな感じでした。


ジヴァンシー(Gvenchy)のメンズはトレンドブラックにさし色として効果的に原色を入れ込んでアクセント。ゴンブトのボーダーシリーズは猛烈なインパクトを放ち、ブランドアイデンティティのスターマークでさらにモード感炸裂。着れる着れないは別として、ショーとしてかなりイケテル感じでした。スカートはさすがに取り入れるのは難しいけど、コートやニットなどはかなり素敵なので試してみたいかも。



2012年秋冬のメンズは、圧倒的にブラック&グレーが多く、そこに深身のある色をさし色で入れるのが多かったように思いました。シルエットもスーパースリムとかだったら困っちゃうけど、ドルガバのようにジャスト〜ややゆったりで着れるものも多いので、真似っこしてみようかと思います。

2012/03/11

LOVE Magazine No.7 『THE ORIGIN OF MONSTERS』

LOVE Magazineの7号で 『THE ORIGIN OF MONSTERS』と題したストーリーをイギリスのフォトグラファー、ティム・ウォーカー(Tim Walker)が撮りおろし。モデルはスーパーモデルブームの頃よりも大活躍な大御所モデル、クリステン・マクメナミー(Kristen McMenamy)。ソフティスケイトされたビジュアルトーンながら、怖ささえ感じる壮絶な内容とのミスマッチ感が最高です。

ティム・ウォーカーの写真の多くは、特殊な建て込みや美術がふんだんに使われる事でも有名ですが、今回は題名通りにモンスターが続々登場。トップページからクモのお化けがクリステンを狙っています。復活してからのクリステンは白髪のロングヘアをキープしているんですが、むしろクモよりも存在感が勝っているのがさすが!


ポートレート的なこの二枚のカットはワカメちゃんよりも刈り込んだお椀ヘアーでメイクもほぼそのまま状態。眉毛もそり落とされてクリステンの強さマックス。骨格が本当に素晴らしく、アイホールの深さもあるので、こういった陰影の強いライティングではさらに美しさを増すような気がします。


内股素っ裸でゴールドの服を巻き込むと言う日本のファッション雑誌では絶対にあり得ない斬新な見せ方。40歳をとっくに超えているクリステンのボディーも綺麗だなと思いつつ、いるだけでファッションになってしまうのはさすがの一言。


ティム・ウォーカー自身のディレクションよりも、じわじわとクリステンの過剰な演出が目立って来た写真。 昔カール・ラガーフェルドのショウを見に行った時にクリステンが出ていたのですが、動きが凄まじく個性的で他のモデルを圧倒し、演出の人に注意されていたのを思い出しました。


蛾になったクリステンは壁に張り付き調。。。こっちを見ているカットはホラー映画さながらな怖さを出しています。


このポートレート、凄くいい!クリステンの良いとこがいっぱい詰まっててかっこいいです。蜘蛛の巣を片目に配置するあたりもかなり憎い演出で素敵。どんなスタイリングでも着こなして1つの絵にしてしまうのも、クリステンの力量って感じ。


こんなサイズの虫がいたら、絶対気絶してしまう勢いですが、クリステンは女戦士となって戦っております。ハチはかなり危険度高め〜。


クリステンの戦士系フォトはなんどか過去にもみた事ありますが、かっこいいスタイリングだからかっこ良く強いライトで撮るのではなく、あくまでティム・ウォーカーの自然光を生かしたナチュラルなトーンで見せているのがいい味だしているように感じます。


最後はお疲れで呆然とたたずむクリステン。もはや女性か男性かさえもわからない状態でパンチラも眼中になし状態。こんな47歳のお母さん、なんだかかっこいい〜!!!

デザイナー交代、ジル・サンダー(Jil Sander)とイヴ・サンローラン(YSL)。

哀しくもあり嬉しいお知らせが2012年のコレクション会期中に発表されました。ジル・サンダー(Jil Sander)のコレクションをデザインしていたラフ・シモンズ(Raf Simons)が辞任を発表。そして後任デザイナーに本家本元のジル・サンダー本人が復活とあり大事件発生!さらにはイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)のクリエイティブデザイナーのステファノ・ピラーティ(Stefano Pilati)が辞任を発表し、後任にカリスマデザイナーのエディ・スリマン(Hedi Slimane)が全てのサンローランのクリエイティブを統括。昔からそうですが、デザイナー交代劇って淋しさと期待感が同居して、複雑な気持ちになってしまいます。。。



まずは2012Fall ラフ・シモンズによるジル・サンダーのラストコレクション。淡いピンク、コーラル、ラベンダーなどをベースに、ビビッドレッドや黒でコントラストを付けたなんともクラシカルで美しいコレクション。ジル・サンダーの場合は無機質とか建築的などのキーワードが多用されるのですが、今回はウェアラブルで女性的。2005年に就任してからブランドの精神を引き継いで、とても頑張っていたように思っていたので残念です。が、、、なんせジル・サンダーは本家本人のカリスマ度が凄まじく、彼女の作り出す服の洗練度ったらハンパないので、次のシーズンが待ち遠しい感じ。




そしてこちらは、ステファノ・ピラーティがクリエイティブディレクターを務めた、イヴ・サンローランラストコレクション。トム・フォードの様に、アーカイブを誇張して派手目なデザインを作り出すことはせず、あくまで往年イヴ・サンローランのスピリットを受け継いで、モダンで美しいコレクション。今回はレザーをメンズと共に多用していましたが、80年代のように過剰な成金マダムになることはなく、繊細に計算されつくしたディテールや生地のバランスで、今っぽく仕上がっています。特に胸元が大きく開いたシリーズはエレガンスの極地でもあるのに何故かスポーティーささえ感じる快適さに驚き。こちらは次回のコレクションより、昔サンローランのメンズをデザインしていたエディ・スリマンが担当。レディースのイメージがまったくないので、どういう風にせめて来るのか、こちらも楽しみです。


2012/03/05

みんななりきり個性炸裂、マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)

2012年はマリリン・モンロー(Marilyn Monroe)が亡くなって50年目の節目の年。ミッシェル・ウィリアムズ主演の映画『マリリン 七日間の恋』なども公開され、今年は間違いなくマリリンブーム来る!と言う感じ。そこで、今回マリリンを演じたミッシェルをはじめ、雑誌のエディトリアルなどでマリリンを演じた事のある人を集めてみました。みなさんそれなりに個性豊かにマリリンになりきっててありな感じです。

先日行われた84回アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされたミッシェル・ウィリアムズ(Michelle williams)は、USヴォーグの表紙&巻頭特集でも映画さながらにマリリンになって登場。本物よりもちょっとあか抜けないというか、平たく言うと田舎っぽい風貌でセクシー感が若干かけていますが、コケティッシュな魅力でうまく欠点をカバーしている様に見えます。


モンローのなりきり具合と言ったら、かなり先駆者であるマドンナ(Madonna)様。真似とかマリリンとか言う問題ではなく、もうそれ自体がマドンナという自分に取り入れてしまってアイコンになっているのでオマージュではないのかもしれないのですが、金髪カールに赤い口紅に付けボクロはまさにマリリン。本物よりもだいぶセクシーで毒素が入っております。


 こちらはドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)のコスメラインや香水ラインの広告で変身中のスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)。顔自体はそんなに似ているような気はしないけど、ボディーバランスはかなりマリリンに近い存在かも。なぜか毎回ドルガバの広告に出る時は、マリリンにされちゃうヨハンソンです。


モンローの真似っこかは真相はわかりませんが、金髪カールで寝そべり系なのでモンロー風味。ニコール・キッドマンは背も高くどちらかというと少年体系なのでモンローの定義とは異なりますが、さすが女優なので上手く演じてモンロー感だしています。


スーパーモデルでモンローの再来と言われ続け、そして今でもモンローをやらされる事の多い、エヴァ・ヘルツィゴヴァ(Eva Herzigova)。彼女は演じなくてもモンローになってしまうので、お決まりのメイクを施されたら完成度高めなモンローに変身。現在は結構痩せてしまってそんなではないけど、デビューした頃のエヴァはお色気もムンムンで、モデル界では誰もが認めるモンローでした。


 スーパーモデルの女王であるリンダ・エヴァンジェリスタ(Linda Evangelista)は、かなり洗練されたモンローを演じて超ビューティー。現在はさすがに年齢的にもフォルムの弛みや崩れが起こっていますが、絶頂期の20年前〜15年前くらいのリンダは神々しく、マリリンを超えて女神感漂っています。あー、素敵。


パリヴォーグで火が付き、一躍現在のスーパーモデルとなったララ・ストーン(Lara Stone)。そのスキッ歯で眉毛のない顔からはマリリンを想像できない容姿なのに、クリエーターにマリリンにされがちな21世紀版のマリリン。はっきり言って本家とは別物の顔ですが、素材が面白いのでマリリン調に料理される事が多く、そのアンバランスさが意外に似合っちゃったりしてて、個人的には凄く好きなモデル。胸は爆乳を所持している珍しいタイプのモデル。


最後に、日本代表でこの人を忘れてはいけない、森村泰昌先生。変身セルフポートレートでお馴染みの森村さんは、マリリンにとても愛着があるようで、白いマリリン、赤いマリリンなど傑作を残しております。こんな大人数の前でマリリンになりきれるなんて、本当に凄まじいパワー。見習わないと。いつかお会いしてみたいです。


紹介した意外にも、ケイト・モス、パリス・ヒルトン、グウェン・ステファニー、リンジー・ローハンあたりが、モンローと見なされる変身をやってたりしてました。基本的にはブロンドのカールヘアに赤リップ、ほくろってのがキーワードなので、わりと簡単にイメージが作れるのですけど、表情をセクシーにイモっぽくってのも重要かと思いました。

今年はマリリンになってみる絶好のチャンス〜!白いホールターのプリーツドレス買わなくちゃ。