クリスチャン・ディオール(Christian Dior)がラフ・シモンズ(Raf Simons)を正式にデザイナーに指名したのが数ヶ月前の話でしたが、やっとこ今回のオートクチュールコレクションで、ファーストコレクションを拝む事が出来ました!!
1947年にブランド創設者のクリスチャン・ディオールが発表した、ウェストをキュッと絞り腰にかけて膨らみを持たせた有名なシルエットの事を『ニュールック』と呼ばれているのですが、まさにそのラインを彷彿とさせるようなウェストラインや豊かなファブリックの使い方など、所々に元祖ディオールへのオマージュが込められていたように感じます。
↑モードの歴史になくてはならないNEW LOOK様↑
ジル・サンダーでの最後のコレクションの評価がすこぶるよかったのもあって、ディオールにもその面影をちらりと残し、エレガンスを全面に打ち出したミニマムなニュールックのオンパレードコレクションとなりました。
ディオールのシグネチャーカラーのグレーを多用しながらも、アクセントにビビッドなレッドやイエローをミックス。ウェストの絞り具合なんかにニュールック感を入れつつも現代に対応できるシルエットに持って行く感覚はさすが。ミニマムなカッティングを得意とするラフ・シモンズならではの、削ぎ落したディテールで見せるディオールの初オートクチュールコレクションでした。
オートクチュールにしてはプレタポルテのような素っ気なさを感じますが、就任して間もない状況でのコレクション発表だったので、二回、三回と回数こなして行くうちに面白みも出てくるのではないかと期待!ドラマティッくなガリアーノのディオールのイメージが強かったので面白みには欠けますが、実際手に取ってみたり、着たりしたら美しいんだろうな〜。
1997年〜2011年までクリエイティブ・ディレクターを務めたジョン・ガリアーノ(Jhon Galliano)様のディオールも、もちろんニュールックのテイストを色濃く反映したデザインが多いのですが、かなりディフォルメされて盛りに盛られています。なかなか普通の人には着こなせないけど、オートクチュールはモードの実験室なので、個人的にはこれくらいはっちゃけたショーをしてくれた方が、好きなんだけどね。人種差別発言で解雇だなんて、才能がもったいなさ過ぎる!
ガリアーノが解雇された後は、すぐに次のデザイナーが決まらず、ディオールでガリアーノの右腕として活躍していたビル・ゲイテン(Bill Gaytten)がさりげなくデザイン担当。最初は幼稚園のお遊戯会のような服ばかりで、『ガリアーノの真似っこしてて失敗』と思っていましたが、回を重ねる毎に本人らしさがでてきて、後半はかなり素敵にニュールックオマージュもやっていました。コンサバよりだけど、これはこれでかなり素敵だったと思います。
ジョン・ガリアーノの装飾過剰ニュールック。
ビル・ゲイテンのコンサバエレガンスニュールック。
ラフ・シモンズのミニマムニュールック。
同じニュールックへのオマージュなんだけど、三者三様で見返すとかなり面白いですね。
ラフ・シモンズがこの先どのようにディオールブランドを構築して行くのか、注目度最大級。
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