2012/02/29

第84回アカデミー賞のドレスいろいろ

2月26日に、第84回アカデミー賞授賞式がおこなわれました。作品賞、監督賞、主演男優賞、衣裳デザイン賞、作曲賞の5冠を制した『アーティスト』が勝利!フランス映画の受賞は初めてなんだとかで、サルコジ&カーラも大喜びの様子。主演女優賞には『鉄の女』でサッチャーを演じたメリル・ストリープが受賞。オスカーノミネートが史上最高の17回、そして今回の受賞は29年ぶり三回目となる受賞で、大女優の魅力を振りまいていました。

そしてアカデミー賞で見逃してはいけないのが女優達がここぞとばかりに着飾って登場するドレスやメイク。今回もチン鈍ハプニングありつつ、素敵なドレスも沢山みれて、女優魂感じました。女優とモードってかみ合うようでずれてたりするので研究が必要なジャンルなんですけど、古くさかったり、トレンド意識し過ぎて外したりと珍プレー好プレーが多発するのも見所です。カラーパレットは圧倒的に白が多く、赤、ゴールドが目立っていました。


目立っていたのはマントで飛んで来たかの様なグィネス・パルトロウ。(上段左)トム・フォード(Tom Ford)の着こなすのがかなり難しいガウンを鍛えた腹筋をアクセサリーにして清く着用。モードもイケちゃうんダからって自信みなぎる迫力です。

上段二番目のシェイリーン・ウッドレーはヴァレンティノ・オートクチュールでセンスアピール。最近のヴァレンティノは本当に手の込んだディテールが素敵で若いセレブに人気が返り咲いているんだけど、この手の修道院チックなデザインが淑やかな美しさを醸し出し、トレンド押さえてナイス。レッドカーペットだともうちょっと華やかでも良かったんですが、個人的にはこのドレスは好き〜。

上段三番目のミラ・ジョボビッチはレッドカーペットの役割をちゃんと考えれる子なので、張り切りモードにしないで、ちゃんと大女優調で見せて来ました。エリー・サーブのビーズ刺繍をちりばめたワンショルダーで、爪からクラッチまでホワイトシルバーで統一。ヘアメイクをクラシカルな方向に持っていっているのがドレスに合っててイケていました。

上段右は、助演女優賞を受賞したオクタヴィア・スペンサー。迫力のボディーとは裏腹に、なんとも繊細で手の込んだビジュードレスが美しい!ドレスは初めて知ったのですが、TADASHI SHOJIさんという日本人デザイナーのもの。イブニングドレスが得意らしく、さすがのクオリティ。

下段左は今をときめくルーニー・マラちゃん。ドレスもドレープが圧巻のジヴァンシー(Givenchy)・オートクチュール !!!ミラと同じ赤リップですが、コケティッシュな前髪が個性となり、うまくジバンシーのドレスを着こなしていると思います。胸元の切り返しもお洒落だし、ノンアクセなのも清くてあり。

下段2番目は顔よりもお尻命のジェニファー・ロペス。離婚してかなりヤングな彼氏が出来たので戦闘服も攻撃態勢モード。ズヘア・ミュラド(Zuhair Murad)の胸元ガッツリで肩にスリットが入った大変美しいマーメイドドレスは、時にピッコロ大魔王の体の模様とかぶりますが、似あっててイケテル女度がかなり高め!モードなんだけど、女性的で女優的なものを選んで来て、なおかつ話題性もあるドレスのをセレクトしてくるとこ、かなり上級テクニックで難易度高め。

下段三番目は白と言うよりはヌードピンク調のビーズがちりばめられたバッジリー・ミシュカのホールターネックドレスを着た、ペネロピー・アンミラー。首回りにポイントがあるので、ヘアはアップにして正解。細いヘアバンドもアクセントとしてありな感じがします。

写真下段右のジュリアナ・ランシック(Giuliana Randic)は、トニー・ワード(Tony Ward)のクチュールドレスを着てポージング。乳がん告白をし、両乳房切除手術と乳房再建手術を成功させたばかりですが、元気な姿をみせていました。人気リポーターなので女優パワーは若干低いですが、このドレスはかなり美しくてレッドカーペットには引き立つデザイン。バスト下から膝にかけてうっすら入るダイヤ型の文様がスタイルを良く見せる効果もありそうで、グラマラスな魅力に満ちあふれていました。



写真左は今回のアカデミー賞でベストドレッサーと言われているらしいジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)は、アレキサンダー・マックイーンのゴールド刺繍ドレスで大迫力。これは結構なお値段なんじゃと思われる手の込み様で素敵。だけれどなんだか彼女の赤毛とゴールドの色調が合ってない様なきがしてならないのと、ここまで装飾的で重厚感あるドレスでへなちょこなウェービーヘアはミステイクな気がします。髪の毛がブラックだったり、もしくは刺繍の色がグリーンとかだったら相性よかったかも。セレクトは良いので惜しい。

写真二番目は、今回の花形である主演女優賞ゲットのメリル・ストリープ(Meryl Streep)は、いつもありえない強烈なスタイリングでワーストドレッサーなはずなのに、今回は受賞を予期してなのかランバン(Lanvin)のゴールドドレスで自らオスカー像のように(ちょっと太め)。胸元が広く開いたデザインですが、あえてノンアクセで清く全開!大御所女優の貫禄を見せつけております。

写真三番目は50歳になったジョージ・クルーニーの彼女として注目を浴びるステーシー・キープラー(Stacy Keibler)。立ち姿も美しいけど、本人が薔薇になっちゃってるゴールドドレスはマルケーザ(Marchesa)。ドラマティックなドレスが得意なブランドだけに、このゴールドドレスも大変バランスがよく、せり出した薔薇型のドレープの反対側の肩に垂れたストラップを配置し、美しい仕上がり。ヘアメイクもヌーディーにまとめつつも目元にインパクトは出してて成功している感じで綺麗でした。

写真右はいつまでたってもコメディーの女王、キャメロン・ディアス(Cammeron Diaz)。女優ににわかにブームのグッチプルミエール(Gucci Premiere)で登場。オートクチュール的な要素のプルミエールではオーダー制となっていて、キャメロンのナイスバディーにジャストフィットしてとても美しい。足下の軽やかなフリルの付け根には、ゴールドのスパンを貼付けて、派手さも適度に配置し大変ラグジュアリー。お尻や胸が綺麗に上がっているので、お顔のタルミももう一息上げたいところですが、なかなかの女優っぷりに高感度大でした。




写真左は真っ赤なジャンバティスタ・ヴァリ(Giambattista Valli)のホールタードレスを着こなしていたエマ・ストーン(Emma Stone)。オートクチュールコレクションで見せた服はもっとローズ色でヘッドアクセも華やかだったのですが、エマはカスタムしてブライトレッドにし、髪の毛もシンプルにしてバングル以外はノーアクセ。顔が小さく首が長めなので、難しい首元のリボンも詰まることなく綺麗みせてる要素の1つ。このブランドは歴史はないけど前回のオートクチュールの作品が素晴らしかっただけに、納得のチョイスのような気がします。

写真二番目は主演女優ノミネートされてたミッシェル・ウィリアムズ(Michelle Williams)。『マリリンの7日間の恋』でモンローを演じたので、モンロードレスで来るかと思い気や、大きく期待を裏切って、カーネーションのような細かいフリルの美しいルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)の朱色ドレスでコケティッシュビューティー。色的にはあまり合ってないようにみえるバックのピンクも、彼女の個性でなんだか不思議にまとめあげられてて、予想外に可愛く見えてます。

写真三番目は去年のオスカー女優であるナタリー・ポートマン(Natalie Portman)!彼女はディオールの広告を務めているからなのか、ディオール(Dior)の真っ赤な水玉ドレスで登場。最新のコレクションを着がちなハリウッドの中ではめずらしくビンテージを選び、このドレスはなんと1954年のコレクションのものなんだとか!!!特にオスカーのレッドカーペットではクラシカルな装いが好まれる傾向にあるので、当時の華やかな映画界とモードがリンクしてた時代のドレスをチョイスするのはありな事。そしてこのドレスが、まったく色あせる事なく見えるのは、ナタリーの女優としての風格や自信みなぎるたたずまいにもあるような気がしました。

写真右は、50代になってからも人気が衰えないコリン・ファース(Colin Firth)の奥様であるリヴィア・ジュジオーリ(Livia Giuggioli)はヴァレンティノ(Valentino)を着用。ヴァレンティノレッドとも言うべきブランドの象徴である赤ドレスに赤リップで、存在感アピール。デザイン自体はシンプルながらコリン・ファースとのマッチングもよく、素敵なカップルバランス。



 写真左は、ブルーグレーのソフトなドレスを着て猛烈に輝いていたペネロペ・クルス(Penelope Cruz)。ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)の月光のように輝く布地を多用したドレスは、彼女の魅力を最大限引き出し、メイクとともに個人的ベストオブベスト!意外と白いドレスよりも、これくらいのグレイッシュなカラーのほうが、肌を美しく見せる効果があるようで、本当に綺麗!

写真二番目はグレン・クローズ(Glenn Close)着用のザック・ポーゼン(Zac Posen)。深い緑の光沢あるドレスは、熟女世代が着てもなんら障害がでないようにジャケット付き。膝後ろから大きくせり出したドレープがマーメイドラインになって、スタイルを良く見せる効果あり。服が結構重めのバランスなので、お顔はナチュラルめにして軽さをだしていて、これがなにげに良いバランス。ポージングもジャケットの中の腰に手を当てる事によって、さらに綺麗なシルエットを生み出しています。

写真三番目は主演女優賞の有力候補だったヴァイオラ・デイビス(Viola Davis)。衣裳はヴェラ・ウォン(Vera Wang)のかなりビビッドなグリーンのドレス。褐色の肌にこういった彩度強めのカラーは効果的で、彼女を魅力的に見せています。ドレスもさりげなくディテールが凝っていて、ハリのある上半身と繊細な下半身プリーツのコラボレーションで、単調になりがちなこの手のドレスに、うまく表情を出す事に成功している感じ。レッドカーペットと相反するカラーのグリーンは、浮き上がって見えて、それだけでかなりの存在感を生んでいます。

そして今回のアカデミー賞で、『脚』だけが話題になったアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)。前回のゴールデン・グローブ賞の際のアトリエ・ヴェルサーチ(atelier)のドレスがもの凄く評価が高かったので、今回も期待大でしたが、、、確かに『脚』しか目に入らない『どーだっ!』ってポージングに会場吹き出し系。黒いベッチンドレスは前回同様アトリエ・ベルサーチなんですけど、こちらもマットな質感が彼女の魅力を半減させてしまっているよう。そしてスピーチでもこのポージングをキープされていて、、、パロディさえおきしてまう事件も発生。どうしちゃったんだろう、アンジー。。。ちょっと残念。


そんなこんなで衣裳も楽しめたアカデミー賞。春は見たい映画がいっぱいです!

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