2013/01/23

2013Spring/Summer アレキサンダー・マックイーン(Alexander Mcqueen)キャンペーン

久しぶりの大ヒット広告がお目見えして興奮中!2013年春夏のアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)のキャンペーンが、インパクト大の凄いビジュアル。蜂をテーマにした、貴婦人ベースの養蜂場ルックをイギリスの写真家デヴィッド・シムズ(David Sims)が強くシンプルにシューティング。モデルは何度かマックイーンのミューズとなっているラケル・ジーマン(Raquel Zimmermann)が再登場。その肝となるメインビジュアルは、なんと蜂蜜を顔中にかけて陶酔するラケルの顔アップ!
デザイナーのサラ・バートンがこだわり抜いただろう蜂の巣模様の布や、蜂から身を守る網などからインスパイアされた帽子やスカートを使った構築的な服は美術館行きレベル。まるでマネキンかと思うくらいの無機質なトーンでとらえた、大変クールで美しいビジュアルです。

お肌には良さそう。。。昔のクリニークの広告のような感じ。




蜂蜜かぶってこそ、スーパーモデル!




コレクションのバックステージ動画があったのですが、装飾物や衣装のクオリティの高さがハンパない。




こちらはコレクション。着心地の良さなんかどうでもいいわ〜!と思ってしまうほど、クリエーションの素晴らしさが感じ取れます。意外にもレッドカーペットやイギリス王室でマックイーンが人気なのも、こういった技術力やアイディアが認められているからなのだと思いました。
マックーンが亡くなった時は、ブランドの衰退が心配でしたが、後継者のサラ・バートンが頑張ってくれてて凄く嬉しい。こういうエッジの効いたブランドの存在って、とっても大切!!!

2013/01/18

2013年Spring/Summer ヴェルサーチ (Versace)キャンペーンは、アマゾネスの女王に扮したスーパーモデル達の砂浜マッスルプレイ!!

2013年春夏のヴェルサーチ(Versace)の広告は、久しぶりにTHE Versaceっと言わんばかりの強さとダイナミズム溢れるビジュアルに興奮マックス!
カメラマンにはここ数シーズンヴェルサーチを担当しているマート&マーカス(mert&marcs)のお二人。そしてモデルは、ケイト・モス(Kate Moss)、ダリア・ウェーヴォイ(Daria Werbowy)、ジョアン・スモールズ(Joan Smalls)を起用。筋肉隆々なメンズモデルは、エドワード・ウィルディング(Edward Wilding)を筆頭に、カーセイ・カリグ(Kacey Carrig)、ステリオス・ニアカリス(Stelios Niakaris)、ヴェイト・コーテュリア(Veit Couturier)の新人で固めて、スーパーモデルとドッキング。強さと新鮮み溢れるこのビジュアルは、ヴェルサーチでは十八番となっている砂をうまく小道具として使い、壮大さを表現していると思います。


トップバッターは90年代からスーパーモデルとして君臨し、誰からも愛されるビジュアルと変身能力で魅了し続けるケイト・モス。マート&マーカスが撮るケイトは、いつも程よく修正は入るため顔の幅感がシャープになり、若い時のケイトに強さが備わった雰囲気が出るのが好き。まるでナオミのような筋肉質なボディーは青みの強いトーンに整えられ、暗闇に光るハイライトは銅像かのような重みさえ感じます。












 ダリアはド美人なヒラメ顔が特徴の現代っ子ビューティの代名詞で、ランコムガールもこなす2000年以降のスーパーモデル。ラグジュアリーと気品漂うお顔立ちなのに、むしろボディは野性的ってのが彼女の持ち味で、今シーズンのヴェルサーチの服はベストマッチな予感。ある角度からヒラメ度が増すのでよくないんですけど、ミラクルバランスの両サイド30度圏内でポージングしているので良い顔連発でした。



 エスティー・ローダーのキャンペーンもゲットして、去年は大活躍だったジョアン・スモールズも大御所モデルに混じってキャスティング。なんら迫力落ちすることなく堂々とポージングしてて圧巻の貫禄です。褐色のモデルさんが出て来るとついナオミと比較してしまうのですが、ジョアンはもっと知性と品格が強いタイプで、完璧なボディは、新人類にありがちなメリハリがあるのに長くて細いタイプ。メイクも華やかに見えるし都会的な雰囲気も持ち合わせているので、今後も活躍が予想される注目株です。




メンズモデルはキャリアのあまりない新人モデル達なんですけど、持ち前の肉体美を惜しみなく披露して、お姉さん達を持ち上げたり見つめたり踏まれたりして試練を経験。20歳前後の日本人男子にはあり得ないごっついボディで、往年のベルサーチを体現しているのも見事ですが、20歳でこの貫禄ってのも見事なお仕事でした。



最初にも書いた通り、ヴェルサーチの広告といえばリチャード・アヴェドンとのコラボレーションが有名ですが、彼が撮った1993年のビジュアルが砂山でのプレイだったのをきっかけに、その後砂プレイが受け継がれているようです。過去のヴェルサーチ砂プレイキャンペーンもちょっくら紹介。

90年代にファッションフォトを見まくっていた自分にとっては、このビジュアルは神の領域クラスのもの。クリスティ、リンダ、ステファニー、ケイト、ナオミなど、メンバーも現在収集難易度超高めな豪華なメンツ。アヴェドンの平面構成能力の凄さも感じる芸術作品クラスのキャンペーン。



こちらはジャンニ・ヴェルサーチが射殺され、妹のドナテッラ・ヴェルサーチがデザインを手がけ始めた1998年秋冬の広告キャンペーン。アヴェドンとのコラボレーションもおしまいになってしまい、新規にメイン広告に起用されたのがスティーブン・マイゼル様(Steven Meisel)。宗教画からインスパイアされたようなモデルのたたずまいと目線使いで、アヴェドンのダイナミズムとは違ったみせ方ですが、砂を小道具として効果的にみせていました。絵画に出て来そうなのっぺり女将顔のマギー・ライザー(Maggie Rizer)や、オードリー・マルネイ(Audrey Marney)がヴェルサーチイメージとは相反するルックスなのに、ビジュアルにうまくドッキングしていたのが、当時とても面白く感じていました。



2002年の春夏キャンペーンでは、作り込んだ砂のセットというよりは、見てわかるように本気のビーチでの撮影。モデルはアーモンドアイが印象的なシャロン・ガニッシュ(Sharon Ganish)。当時は新人モデルのシャロンの起用にどよめきが走りましたが、まさに純ヴェルサーチ顔の強さを生かして、パンチングや派手柄切り返しのある難易度高めな洋服をビーチでクールに決めていたのが印象的。天下のマイゼル様の撮影とはいえ、男性モデルも公共のビーチでスッポンポンになってポージングしなきゃいけないのって、凄いですよね。前張りとか気の利いたもの、外国はなさそうだし。。。



そしてこちらは2011年の春夏ビジュアルなので、記憶にも残っているかと思いますが、今期と同じくカメラマンはマート&マーカスの大作。今期のものよりもやや大人しいながらも、サスキアの思い切ったショートカットがスパイスとなって、想い出に残る美しくも官能的なビジュアル。


比較してみると、今期の2013SSバージョンはさらに青みを濃厚に入れつつも、ドレスや小物はオリジナルのカラーに戻しているのが特徴的で新鮮な手法でした。ド素人が真似っこしてこういう加工すると、いかにも『Photoshopでやっちゃいました〜』感が漂うのですが、本当に凄いと思うのが、そういった加工による『しちゃった感』よりも、コンセプトやモデルの構成美などが際立ってて、トーンのコントロールも見事としか言いようがない出来でした。ここまで服のディテールも出してイメージもちゃんと作られてるので、クライアントのドナテッラ・ヴェルサーチも絶対に気に入っているはず。

服は買わないけど買えないけど、ヴェルサーチの世界観、大好き。

2013/01/08

VOGUE Itaria 2013年1月号は、50年代アヴェドンオマージュな『GLOBAL LIFE』by Steven Meisel

VOGUE Itaria 2013年1月号は、中国のスターモデルであるフェイフェイ・サン(Fei Fei Sun)をメインキャスティングした、スティーブン・マイゼル様(Steven Meisel)による『GLOBAL LIFE』。そのスタジオシューティングは、50年代のリチャード・アヴェドン(Richard Avedon)とアヴェドンのお気に入りモデルであるチャイナ・マチャド(China Macado)のコラボレーションを見事蘇らせたような、超一流階級漂うクラシックエレガンスにうっとり。
シンプルなライティングながらも、50年代スピリット感じるスタイリング(by Lori Gorlstein)と、大きくイメージを作り出しているヘアメイクのバランスが美しく、フェイフェイ・サンとも相性良しな表紙&巻頭ビジュアルです。


特にこの時代はメイクとヘアーの作り込みが大変美しく、メイクのパット・マクグラス(Pat McGrath)とヘアーのグイド・パラウ(Guido Palau)のミラクルコンビの完成度がナイス。50年代のマストと言えばのアイラインですが、よく見るとカットによってアイラインの幅や跳ね上げの長さにアレンジが効いていて憎い演出です。ヘアーに関しては面を美しく整えたまとめ髪や跳ね上げカールなどを現代アレンジを少しだけ入れて、忠実に再現していました。かなりため息ものの職人技が見る事が出来ます。

カメラマンのマイゼル様は、この手のライティングは常用しているので、アヴェドンのオマージュというよりはすでにオリジナルになって来てしまっていますが、相変わらずのページ構成やモデルの寄り引きバランスのまとめ方が上手で、ライティング自体はあまり変えてないんですけど見ていて飽きないストーリー。モノクロとカラーのミックスも効果的でした。





オマージュされているマチャドは現在82歳で、モデル後にエディターを経験し、さらに現在もモデル復帰している活動的な方。当時は白人ではないモデルがファッション雑誌に登場するというのは反社会的だったようで苦労が多かったようです。
アヴェドンの写真は今見ても色あせずに力強い!!!

メイキングムービーはこちら。


この落ち着いた表情と、無駄な動きのないフェイフェイ・サンのポージングに注目。23歳とは思えないエレガンテ!!!今回のこのカバーが、イタリアンヴォーグでは初のアジア人モデルの単独カバーになるそうです。素敵。