2013/01/18

2013年Spring/Summer ヴェルサーチ (Versace)キャンペーンは、アマゾネスの女王に扮したスーパーモデル達の砂浜マッスルプレイ!!

2013年春夏のヴェルサーチ(Versace)の広告は、久しぶりにTHE Versaceっと言わんばかりの強さとダイナミズム溢れるビジュアルに興奮マックス!
カメラマンにはここ数シーズンヴェルサーチを担当しているマート&マーカス(mert&marcs)のお二人。そしてモデルは、ケイト・モス(Kate Moss)、ダリア・ウェーヴォイ(Daria Werbowy)、ジョアン・スモールズ(Joan Smalls)を起用。筋肉隆々なメンズモデルは、エドワード・ウィルディング(Edward Wilding)を筆頭に、カーセイ・カリグ(Kacey Carrig)、ステリオス・ニアカリス(Stelios Niakaris)、ヴェイト・コーテュリア(Veit Couturier)の新人で固めて、スーパーモデルとドッキング。強さと新鮮み溢れるこのビジュアルは、ヴェルサーチでは十八番となっている砂をうまく小道具として使い、壮大さを表現していると思います。


トップバッターは90年代からスーパーモデルとして君臨し、誰からも愛されるビジュアルと変身能力で魅了し続けるケイト・モス。マート&マーカスが撮るケイトは、いつも程よく修正は入るため顔の幅感がシャープになり、若い時のケイトに強さが備わった雰囲気が出るのが好き。まるでナオミのような筋肉質なボディーは青みの強いトーンに整えられ、暗闇に光るハイライトは銅像かのような重みさえ感じます。












 ダリアはド美人なヒラメ顔が特徴の現代っ子ビューティの代名詞で、ランコムガールもこなす2000年以降のスーパーモデル。ラグジュアリーと気品漂うお顔立ちなのに、むしろボディは野性的ってのが彼女の持ち味で、今シーズンのヴェルサーチの服はベストマッチな予感。ある角度からヒラメ度が増すのでよくないんですけど、ミラクルバランスの両サイド30度圏内でポージングしているので良い顔連発でした。



 エスティー・ローダーのキャンペーンもゲットして、去年は大活躍だったジョアン・スモールズも大御所モデルに混じってキャスティング。なんら迫力落ちすることなく堂々とポージングしてて圧巻の貫禄です。褐色のモデルさんが出て来るとついナオミと比較してしまうのですが、ジョアンはもっと知性と品格が強いタイプで、完璧なボディは、新人類にありがちなメリハリがあるのに長くて細いタイプ。メイクも華やかに見えるし都会的な雰囲気も持ち合わせているので、今後も活躍が予想される注目株です。




メンズモデルはキャリアのあまりない新人モデル達なんですけど、持ち前の肉体美を惜しみなく披露して、お姉さん達を持ち上げたり見つめたり踏まれたりして試練を経験。20歳前後の日本人男子にはあり得ないごっついボディで、往年のベルサーチを体現しているのも見事ですが、20歳でこの貫禄ってのも見事なお仕事でした。



最初にも書いた通り、ヴェルサーチの広告といえばリチャード・アヴェドンとのコラボレーションが有名ですが、彼が撮った1993年のビジュアルが砂山でのプレイだったのをきっかけに、その後砂プレイが受け継がれているようです。過去のヴェルサーチ砂プレイキャンペーンもちょっくら紹介。

90年代にファッションフォトを見まくっていた自分にとっては、このビジュアルは神の領域クラスのもの。クリスティ、リンダ、ステファニー、ケイト、ナオミなど、メンバーも現在収集難易度超高めな豪華なメンツ。アヴェドンの平面構成能力の凄さも感じる芸術作品クラスのキャンペーン。



こちらはジャンニ・ヴェルサーチが射殺され、妹のドナテッラ・ヴェルサーチがデザインを手がけ始めた1998年秋冬の広告キャンペーン。アヴェドンとのコラボレーションもおしまいになってしまい、新規にメイン広告に起用されたのがスティーブン・マイゼル様(Steven Meisel)。宗教画からインスパイアされたようなモデルのたたずまいと目線使いで、アヴェドンのダイナミズムとは違ったみせ方ですが、砂を小道具として効果的にみせていました。絵画に出て来そうなのっぺり女将顔のマギー・ライザー(Maggie Rizer)や、オードリー・マルネイ(Audrey Marney)がヴェルサーチイメージとは相反するルックスなのに、ビジュアルにうまくドッキングしていたのが、当時とても面白く感じていました。



2002年の春夏キャンペーンでは、作り込んだ砂のセットというよりは、見てわかるように本気のビーチでの撮影。モデルはアーモンドアイが印象的なシャロン・ガニッシュ(Sharon Ganish)。当時は新人モデルのシャロンの起用にどよめきが走りましたが、まさに純ヴェルサーチ顔の強さを生かして、パンチングや派手柄切り返しのある難易度高めな洋服をビーチでクールに決めていたのが印象的。天下のマイゼル様の撮影とはいえ、男性モデルも公共のビーチでスッポンポンになってポージングしなきゃいけないのって、凄いですよね。前張りとか気の利いたもの、外国はなさそうだし。。。



そしてこちらは2011年の春夏ビジュアルなので、記憶にも残っているかと思いますが、今期と同じくカメラマンはマート&マーカスの大作。今期のものよりもやや大人しいながらも、サスキアの思い切ったショートカットがスパイスとなって、想い出に残る美しくも官能的なビジュアル。


比較してみると、今期の2013SSバージョンはさらに青みを濃厚に入れつつも、ドレスや小物はオリジナルのカラーに戻しているのが特徴的で新鮮な手法でした。ド素人が真似っこしてこういう加工すると、いかにも『Photoshopでやっちゃいました〜』感が漂うのですが、本当に凄いと思うのが、そういった加工による『しちゃった感』よりも、コンセプトやモデルの構成美などが際立ってて、トーンのコントロールも見事としか言いようがない出来でした。ここまで服のディテールも出してイメージもちゃんと作られてるので、クライアントのドナテッラ・ヴェルサーチも絶対に気に入っているはず。

服は買わないけど買えないけど、ヴェルサーチの世界観、大好き。

0 件のコメント:

コメントを投稿