2012/02/04

2012Spring/Summerは海モチーフブーム?

2012年春夏プレタポルテコレクションを見直して見ると、なんだかいつも春夏になると決まって出て来るマリンルックは影を潜め、何やら今年は海の中の貝殻や珊瑚、波や人魚など、海に関するモチーフが山盛り。もろ海がテーマのブランドから、さりげなく質感や色で取り入れているブランドまでさまざまでした。


泣く子も黙るシャネルのショーでは、会場に貝殻やヒトデのモチーフの巨大オブジェが配置され、何も言わなくても海の中がテーマなんだろうとわかる系。カラーパレットはブルー、ピンク、ベージュなどが中心でしたが、シトラスブルーやコバルトブルーなどが盛んに使われ、海感を盛り上げていました。水面のキラメキのような光る素材のジャケットや、貝殻がついたようなスカートが登場。往年のシャネルジャケットを買いにきたお客さんはぶったまげるような、岩壁に貝がぎっしり系なデザインもあり。


アレキサンダー・マックイーンのショーでは、後任のサラ・バートンが意外にもヒットを飛ばし続け、今回も素晴らしいクリエーションで写真撮ってみたい服がいっぱい。テーマはこちらも海の中だそうで、珊瑚や貝殻デザインがところ狭しと登場し、ショルダーにも腰にも顔にまでオンパレード。その硬質な素材感とは裏腹に、さりげなく優しい素材をスカートなどに取り入れているのは、甘辛の技が効いてて視覚的にも素晴らしい。そしてこのブランドを積極的にご公務に取り入れているイギリスウィリアム王子の奥様、キャサリン妃が個人的にいかしていると思うこの頃。



ヴェルサーチの今シーズンも負けじと珊瑚やヒトデを服にはべらかし、プリントにしたりストーンで光らせたりして、メデューサも海底に潜んでいるウミヘビになりすまし獲物ゲット。ミントグリーンからスカイブルーまでの微妙なパステルカラーのグラデを用いて、フレッシュで若々しいけど、実際に若い人は着ないような絵柄デザイン。ヴェルサーチと言えばレッドカーペットを見てもドレスが素敵なんだけど、ドレスまで抜かりなく海もチーフなんで、一部の消費者しか買わない恐れありで、日本再上陸が心配。好きなブランドなだけに、今度は成功して欲しい感じ。


ジバンシーのコレクションは柔らかかったり強かったり服によってイメージは様々でしたが、素材感で海を表現していた綺麗なコレクション。魚のウロコっぽく光るジャケットや、海底奥地に生息しているような深海魚みたいなフォルムも登場しかなりユニークだけど、ジバンシーお得意のエッジを立たせて決してギャグにはならない方向にまとめあげてて素晴らしい。ぬめっとした質感が全てに共通でした。


ジョルジオ・アルマーニも大変ラグジュアリーなコレクションで、月明かりや海や人魚をテーマに。ここ最近続いているメタリックな素材使いはそのままに、ディテールをちょっと貝殻のフォルムにしてみたり、ドレープを人魚のヒレのように絞ったりと作為的。ただそこは経験豊富でマダムセレブに愛され続けているアルマーニだけあって、基本を崩さずに上品にまとめられていて綺麗なコレクションだな〜と思いました。



こちらはランヴァン。特にランヴァンはテーマは『海』だよって言ってないけど、個人的に海チームに入れてみたかった服達なのでエントリー。海と言ってもなんだか夜中のさざ波漂う静かな海って感じで、ポエティックで大人な印象。所々に使った蛇のモチーフは、プリントだったり石で光らせたり見せ方は様々ですが、なんかウツボにも見えてくる。お得意のドレープドレスは健在で、普通の人だったらお股がシースルーで困っちゃうけど、大変芸術的なデザインだとおもいました。


 ニコラ・フォルミケッティが手がけて2シーズン目のコレクション。ミュグレーのシグネチャーである近未来の雰囲気はそのままに、ディテールをソフトにしてカッティングの巧妙さで見せて現代アレンジ。ミュグレーも海もチーフなどはつかっていませんが、へムラインのひらひらや、光沢使いなどに海や大地を感じます。ヘアメイクも海から上がって来た人魚のようで顔も濡れ濡れ。レディーガガのスタイリストながら、ここまで明確にコレクションを作ってしまうんだ〜と関心の一言。これがビジネスにつながっていくと今後さらに良いのかもです。


 先シーズン、ヒットを飛ばしたステラ・マッカートニー。今回は前回にも見られたグラフィカルパターンをアレンジして、さらに高度なパターンや切り返しにチャレンジしています。カラーはコバルトブルーを随所にきかせ、白、黒、水色と幅を狭めてなんとなく海カラー。ミュグレーなどと同じく、まんま海がテーマのコレクションしてまーす!って言ってないけど、波打ち際の曲線ラインや、岩壁にぎっしり連なる貝のようなデザインで、やっぱり海な感じ。





ルイ・ヴィトンは会場にメリーゴーランドを配置し、モデルがそこから降りて来て服を見せるプレゼンテーション。なので、テーマはまったく海ではないんだけど、何故か大きめにくり抜いたレースや素材使いやカラーが、岩壁にびっしり潜む貝のようなデザインに見えてきて不思議。基本的にマカロンカラーでまとめられてて女子達は大歓声のヴィトンのショーでしたが、個人的にはなんだかパンチがなく、そしてオーバーサイズのフォルムなどもシルエットが気になるところ。スーパーモデルが着ててもあんまりスタイルよく見えなかったし、服が固そうに見えるのは、実際触ったら違うのかなあ?個人的には乙女過ぎな印象でしたが、また売れちゃうんだろうなーっていうカバンはいっぱいでした。


てな感じで次の春夏は貝殻、さざ波、ウツボがマスト!

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