2013/02/22

80年代ポップスター君臨!ジャン・ポール・ゴルチエ2013年春夏キャンペーン。

2013年春夏のコレクションテーマとなっていた80年代ポップスターアイコンをオマージュしたジャン・ポール・ゴルチエのコレクション。そのコンセプトそのままに、ボーイ・ジョージ、マドンナ、デヴィッド・ボウイ、グレース・ジョーンズに扮したモデル達がキャンペーンにも登場。写真はセバスチャン・キム(Sebastian Kim)が担当し、ライト輝くライプステージのようなセット前でシューティング!


モデルはグレース・ジョーンズ役にジェネイル・ウィリアムズ(Jeneil Williams)、デビッド・ボウイ役にハナロア・クヌッツ(Hannelore Knuts)、マドンナ役にギンタ・ラピーナ(Ginta Lapina)、ボーイ・ジョージ役にマリア・カシュレバ(Maria Kashleva)がなりきりモード。ハナロアの大御所クラスの演じ能力の高さは言わなくともですが、新人モデルの頑張り奮闘も素晴らしいです。もちろんそこには技術素晴らしいゴルチエのコスチュームの完成度や、ヘアメイク効果も多大に影響していますが、ゴルチエのキャンペーンでは、久々にヒットなのではないでしょうか?


メイキング画像があったので、モデルズの変身っぷりを篤とご覧下さい〜。




そして2012年9月27日に発表の春夏コレクションをアーティスト比較。

David Bowie
Sade
Madonna
 Annie Lennox
Boy George
Abba
 MIchael Jackson
Grace Jones





ただのコスプレ衣装にならないところがゴルチエ。一点一点の作品は品格と優雅さを備えていて、さすがエルメスのデザインを手がけてただけあるクオリティです。そこにポップスターのアイコンになっている衣装イメージを重ねているので、面白みも倍増でした。



撮影最後に撮ったと思われるゴルチエ本人を交えての記念撮影。楽しそう!

2013/02/11

2013年春夏 パリオートクチュールコレクション レビュー

1月20日から四日間のスケジュールで開催された、2013年春パリオートクチュールコレクション。オートクチュールの衰退が囁かれてから早数十年が経過していますが、現在もスペクタクルなショーをするメゾンや、デザイナー交代により息を吹き返すメゾン、新規参入のメゾンなど、少ない参加ながらも顧客を唸らせる素晴らしいクリエイションが見られました。

プレタポルテが主流の現在でも、予算と時間をつぎ込んだ力作揃いの11メゾンをレビュー。


Alexis Mabille


若干36歳のアレクシス・マビーユ(Alexis Mabille)のデザインするオートクチュールコレクション。いつもロマンティックな物語的要素を多く取り込んだデザインなのは、ディオールやガリアーノで修行を積んだ経験をもつ彼ならでは。現在クチュールのトレンドとなっている繊細なレースは、モダンなフォルムにデザインされ、揺れ動くシルクシフォンは女性を極上に美しいボディラインに見せてくれ、素敵な服ばかり。全体を通して素材の柔らかさが際立っていて、フェミニンでフレッシュなコレクションでした。



Armani Prive
ジョルジオ・アルマーニがデザインする、アルマーニ・プリヴェ(Armani  Prive)のコレクション。 中東をイメージしたオリエンタリズム溢れる魅惑的な服を送り出したアルマーニは、色使いも鮮やかで素材の光沢感もすさまじく、月の光を浴びる夜のイスタンブールといった感じ。アルマーニお得意のパンツルックもパネル加工や構築的な刺繍が施されるなど、さすがクチュールクオリティ。年齢層高めの顧客を満足させるアイティムがいっぱいでした。



Atelier Versace
先シーズンのオートクチュールからショー形式を復活させたドナテッラ・ヴェルサーチのデザインするアトリエ・ヴェルサーチ(Atelier Versace)。兄ジャンニ・ヴェルサーチのクリエイティビティを引き継ぎながらもフェミニンでリアリティある方向へと移行し、現在もセレブファンが絶えないオートクチュールラインですが、今回はネオンカラーをポイントにストロングウーマンの連打攻撃。一見なにげなく見えるパンツスーツにも24金のラインが埋め込まれていたり、ミンクを短く刈り込んだ贅沢な装飾をストライプに配置したタンクワンピなど、リッチとミニマムを大変見事にミックス。ヴェルサーチお得意のイブニングドレスの素材がチープに見えたのが唯一心残りでしたが、極上の素材使いやボディをリメイクするカッティングはさすがでした。



Giambattista Valli
ジャンバティスタ・バリ(Giambattista Valli)のデザインするオートクチュールは、前回の赤&緑のコレクションとは打って変わってフェミニン思考にシフト。前半のアニマル系パターンをイメージした刺繍やプリントのデイリーなウェアの出来栄えは、大変安定感がありビリオネアーも購買意欲が進むアイティムがずらり。後半のパステル中心のドレスは、ラフ・シモンズのディオールに影響されたか?と思うようなミニマムフラワーデコレーションドレスなどがお目見えしましたが、総じて着れる服を輩出する意気込みは高感度大でした。



Elie Saab




ビヨンセを筆頭に、セレブに愛される服が得意なエリー・サーブ(Elie Saab) のクチュールライン。いつもの強さをやや控えめにし、レースやビーズ刺繍の手仕事を全面に打ち出した、ウルトラフェミニンでロマンティックなコレクションでした。カラーパレットは、ライトミント、ライトベージュ、ライトラベンダーなどパステルを多用し、アクセントに朱赤とブラックのコンラストの配色。ちょっと見間違えるとここ数シーズンのヴァレンティノのコレクションと瓜二つ感は否めないですが、売れ筋勢揃いのレッドカーペット向きのドレスや社交界対応型ルックが見事でした。



Chistian Dior



ラフ・シモンズがディオール(Chistian Dior)のデザイナーに就任して二回目のオートクチュールコレクション。意外にも前回のクチュールがセレブに大人気だったようで、レッドカーペットでもディオールが多く見られましたが、豪華絢爛ウルトラ極上なレッドカーペットでは、やや素っ気ない印象を受けました。 今回は二回目とあって、ディオールのニュールックの呪縛から一歩踏み出した感あるデザインが見受けられ、華やかさも少し出て来たかなと言った具合。ミニマリストの不思議な点として『まだ縫製の途中ですか?』的な不可解なデザインが多く、極上極めるオートクチュールではミニマムの方向を違った見せ方で考え直さないと、なんだか中途半端に見えてしまいがち。もちろんディオールというビックメゾンのお針子さん達が長年の技術を惜しみなく出しているので、実際の製品は素晴らしいと思うのですが、戦後の服が満足に買えなかった時代に大量の布使いで顧客の心を奪ったあの興奮と夢を現代のディオールにも是非取り入れて欲しいと思いました。と言いつつ、1/3くらいは凄く好きなデザインで、最後のお花刺繍ドレス群は大変美しかったです。



Chanel
毎度デザイン点数ナンバーワンのメガメゾン、シャネル(Chanel)のオートクチュールコレクションでは、特に最近の流れからは大きく変化はないものの、その一点一点のディテールが凝りに凝っててとてつもなく魅力的。シャネルの場合は、ツイード、カメリア、CCマーク、白&黒、ベージュといった、ブランドスタイルが出来上がっているので、それさえ多用すれば多少外れたデザインしたってシャネルに見えてしまうのが凄いところ。ただそれだけでは飽き足らず、素材開発や数百時間かけて刺繍を施したミラクルツイードなど、一般人には想像もつかないクリエイションが潜んでいるのも、世界中の顧客を惹き付けるシャネルならではのプレゼンテーションでした。



Jean Paul Gaultier
日本でもバブル時代に人気があったジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)。あの時の攻撃的でゴシックな印象は影をひそめ、ゴルチエ感いれつつもシックで上質な作風になってきたここ数年。今回は大好きなオリエンタルリズムを取り入れ、神秘的なジュエルカラー満載のカラーパレットが大変美しかったです。1997年春夏からオートクチュールに参戦して15年目の節目の年でしたが、誰もが納得するクオリティで、カトリーヌ・ド・ヌーブもお気に入り。80年代にマドンナに衣装提供したコーンブラのコルセットドレスは、毎回フォルムをアレンジし、ゴルチエのアイコンドレスとして登場していました。中東イメージが大好きな彼らしく、ジプシーのテイストも極上に表現されていました。



Maison Martin Margiela









豪華絢爛女性美を打ち出す他のメゾンとは真逆のコンセプトで、アート街道まっしぐらなメゾン・マルタン・マルジェラチーム(Maison Martin Margiela)が発表した二回目のオートクチュールコレクション。ウェストラインなど全く無視した筒状のワンピースが多く見られ、単調なシルエットながらもファブリックに時間を費やしたようで、 キャンディの包装紙を縫い付けた最後のルックは、70時間を費やしたそう。。。かなりコンセプチュアルな服なので、モードの実験室であるクチュールとはいえ着る人はいないだろうと思いきや、サラ・ジェシカ・パーカーが着用していたのが衝撃でした。(上段右から2番目のレッドシルクドレス)



Ulyana Sergeenko




ロシアの大富豪の妻であり、カメラマンであり、スタイリストであり、モデルであり、ブロガーであるウリヤナ・セルギエンコ(Ulyana Sergeenko)が作る、デビューして二回目のコレクション。 様々な職種を持つ彼女がこんな素敵なコレクションをいつ作っているのか?と疑問にも思いましたが、風と共に去りぬやトムソーヤーの冒険あたりの1870年前後の時代の服を現代的にモダンアレンジ。デコルテの抜き具合や、パフスリーブのキッチュなデザイン、サテンを多用する布使いは、忘れもしない1998年春夏のステラ・マッカートニーがデザインしたクロエのコレクションや、ガリアーノがディオールに就任して間もない頃のデザインを思い出させましたが、クチュール溢れる技術を盛り込みながらも軽やかに表現できているのは、若いビリオネアーの顧客を増やすだろうと思わされました。それにしても肩書きが凄まじいデザイナーですね。大富豪って凄い。



Valentino


マリア・グラツィア・キウリとピエール・パオロ・ピッチョーリが作り出す、ヴァレンティノクチュール(Valentino)。19世紀のベネチアの模様からヒントを得たという刺繍は、500時間、850時間を費やしたものなど、一着の衣装にかかる制作時間としてはかなり異例なスーパードレス達。2008年よりデザインを担当している彼らの評価は年々アップし、レッドカーペットでも若手女優や大富豪に好んで着用されています。最初は引退したバレンティノ・ガラバーニの作風とは大きくクリエーションが違う事や、力量不足が囁かれていましたが、ここ最近のデザインはそんな噂があった事さえ忘れてしまうくらいの領域にまで行き着いた感じ。ネックから肩の作りや、独特なラインのクリノリンスカートなどは、アレキサンダー・マックイーンが好んだデザインも多く見られましたが、期待を裏切らないヴァレンティノレッドもお目見えし、ファンにも現代の顧客にも期待を裏切らないスーパーコレクションでした。




今シーズンは大好きなジバンシーのクチュールコレクションの発表がなかったのが残念でしたが、新旧入り乱れてのクリエイションが見れて大満足でした。日常的に着るプレタポルテとは違って、一部の大富豪やセレブしか買う事の出来ない超高級仕立て服であるクチュールには、現代もまだ夢がいっぱい詰まっているようでした。

2013/02/09

Calvin Klein Underwear Conceptキャンペーン

下着の分野で最先端を行くカルバン・クライン(Calvin Klein)から、コンセプト(Concept)と名付けられた縫い目のいっさいないアンダーウェアシリーズが登場しました。

ミニマムなデザインコンセプトを打ち出すプレタポルテと真逆で、性の問題を色濃く反映したかのような下着広告は80年代後半から続いているもので、毎度物議を醸し出しています。デザイナーが変わってからもその流れは受け継がれているようで、新作のコンセプトシリーズも男性肉体美を猛烈に強くプッシュ。





モデルはCalvin Klein Jeansや去年発売になったBoldシリーズの広告を務めるマシュー・テリー(Matthew Terry)君。もはやアスリート以上のあり得ない筋肉美(特に腹筋と横っ腹のうねうね)を見事披露。日本にはひょろっこいモデルばかりでなかなかここまでクオリティ高いモデルっていないですよね。。。

2012年のカラフルなBoldシリーズと、Jeansシリーズの広告ビジュアルでのマシュー・テリー。











そしてこの手のシューティングに猛烈な審美眼をもつフォトグラファー、スティーブン・クライン(Steven Klein)がビジュアル担当し、極上に美しく濃厚に鋼鉄のようにボディを撮りきっています。
アートディレクターには巨匠ファビアン・バロン。彼の平面構成の美しさはもう説明いらずですが、今回も車輪のような鋼鉄な素材をからめて、さらに肉体を際立たせている感じ。さすがバロンバロン


途中に入る機械の結合部やオイルなんかも効果絶大!先日のスーパーボールのCMで大勢の観客の前でのお披露目となったようです。ここまでいくと生っぽさやヒワイ感は全くなく、完全アートですね。美しい!



こういうの見る度に腹筋やったりプールに行ったりするんだけど、全く違った現状にがっかりです。

2013/02/03

2013Fall メンズコレクションレビュー

まだ寒さが続く冬まっただ中ですが、早くも一年後の2013年秋冬メンズコレクションの発表が終わり、次の方向性が見えて来たところ。ロンドン、ミラノ、パリとメガメゾンはクラシックを基調に現代アレンジを入れるところが多く、80年代後半のモンタナ的、ヨージ・ヤマモト的なデザインも多く見受けられました。

素敵だったコレクションを一気に総レビュー!


BALMAIN
 歴史のあるバルマンをデザインするのは若干25歳で引き継いだオリヴィエ・ルステン。今期で二年目を迎えたばかりの彼は、レディーズにも見られる手の込んだオートクチュール並みの素材を使ったり、カマーベルトを主役にしたコーディネイトなど新鮮味も盛り込み、ロック、80年代、男爵スタイルなどを現代風にスマートミックス。前回よりフォーマル度数がアップしていたコレクションで、ビジュアル的に優れている服と実際着れる服のバランスが素晴らしい感じ。



ALEXANDER McQUEEN

サラ・バートンがデザインするアレキサンダー・マックイーンのコレクションは、パリシックなスタイルにエッジを盛り込んだ癖のあるエレガント。マックイーンお得意のテーラードを巧みに使い、肩から胸にかけてのスーツやコートのフォルム作りは見事で、男性のボディに程よく吸い付くようなカッティング。万華鏡のような布地やパッチワーク的なデザインが今期の特徴。





BURBERRY PRORSUM
ちゃんとトレンド盛り込んでいるのに実際着れる服であるのが大好きで、デザイナーのクリストファー・ベイリーから目が離せないバーバリープローサム。今期はヒョウ柄やゼブラ柄の提案だけでも大満足だったのに、さらにはハートマークのセーターやビニールトレンチコートまで登場してしまって超盛りだくさん!シルエットがクラシカルで美しいからだと思いますが、弾けた素材でもやんちゃに見えないのがさすがの腕前。おぼっちゃまスタイルにちょい悪ディテールがたまりません。



D SQUARED2


いつものアメリカンスタイルはさらに洗練され、やや大人モードなディースクエアード。縦長のハットをコーディネートのポイントとし、50年代のアメリカ良家のモダンスタイルとでも言うべきクラシック。アイティム自体はオーソドックスなものが多いように感じましたが、サイジングやカラーコーディネートが冴え渡り、大変フレッシュに見えた購買意欲をかき立てるコレクションでした。



DOLCE&GABBANA



大好きなドルガバのコレクションは、ここ最近の流れそのままに日本で言う下町的なカジュアル感と、着物的なクラシック感で攻めたシチリア濃厚コレクション。一時期打ち出していたボディーフィットしたカッティングは影を潜め、どことなくゆとりのあるざっくりフォルムが特徴的。後半のロマンティック全開のフラワージャケットは、男性をさらにセクシーにそしてチャーミングに見せていました。



DIOR HOMME

クリス・ヴァン・アッシュのデザインするディオール・オムのコレクションは、初期の頃とはずいぶんと変わり、なんだかミニマム押し出しスポーツテイスト路線。レディースのデザインがミニマムの騎士ラフ・シモンズになった事が大きく影響しているのか、ベルトでマークしたウェストはディオールレディースコレクションのオマージュかと思うくらい共通点がありました。映画ガタカからインスピレーションされたという無機質なディテールや、最新の素材使いが特徴的でした。



GIVENCHY

リカルド・テッシがデザインするジバンシーは、オードリー・ヘップバーンが愛用していた時代とは大きくイメージが異なりますが、現在レディースと共にメンズも勢いついている貴重な存在。今期はアメリカンフットボール(ベースボールも?)がテーマだったようで、ボールの縫い目をアレンジしたジャケットや、恒例のアメリカ国旗、ラガーマンをイメージした短パンの提案など、ごっそりとフットボール。パレットはブラック&ホワイト&グレーの無彩色ですが、腰に巻いた服をアクセントにする事で、カジュアルな動きが出て軽さを感じました。シャツの何気ないカッティングが、毎度本当に綺麗。



JIL SANDER

ジル・サンダー本人がカムバックして二シーズン目のメンズコレクションは、前回の殺風景過ぎる服にニュアンスが加わって魅力的に見えて来たコレクション。ミニマリストの危険なところは、削ぎ落とす美学はわかるんですけど、あまりにも何もなさ過ぎて単調に見え、それを凄い金額出して買おうとは思えなくなるという危うさを伴っている点。今回は小技が要所に配置され、そして長く着れそうなベーッシック感も備えていい感じでした。



GUCCI

グッチはレディースコレクションとリンクするような、カラーパレットを分けた服の見せ方でショーを展開。猛烈に美しいくすんだ水色シリーズの服で悩殺され、その後に続くコーディネートもたまらない完成度の高さ。グッチお得意のミリタリーと、モッズ的なニュアンスがうまくミックスされ、お金さえあさば何着でも欲しいとさえ思わせるデザインで、男性を何倍にも見栄えを良くしてくれる素敵なルックが勢揃い。



MARC JACOBS

高級素材をいかにカジュアルにデザインするか?的なコンセプトでデザインをしているマーク・ジェイコブスのメンズでは、ロカビリー調な50年代の雰囲気を醸し出していました。毎度かなりベーシックなデザインで構成されているのですが、今期はやや振り幅が広くなったようで、カラーバリエも多く感じました。ミニマムデザイナーとは違った脱力系デザインなので、シルエットとかカッティングがどうのこうの言うよりは、『マーク・ジェイコブスを着ているという満足感』を味わいたい人用のブランドという感じ。



JOHN GALLIANO

ガリアーノ本人がデザインしていないジョン.ガリアーノのコレクションは、80年代後半のパリジャン風のビッグタートルネックや、布をふんだんに使った全体に大きいシルエットの服の提案。80年代のクロード・モンタナやゴルチエ、テュエリー・ミュグレーのような雰囲気に、現代っぽい小物を合わせる事で2013年版の解釈。



LOUIS VUITTON

ルイ・ヴィトンのメンズコレクションは、なんと言っても素材の上質さが写真を通しても感じ取れるくらいに際立っていました。スポーティーなデザインながらも遊びの要素を盛り込むあたりもビッグメゾンのゆとりを感じるところで、バーバリーでも登場したヒョウ柄アイティムをはじめ、ブータンの民族模様やハイキングテイストも盛り込んだ様子。最後のややグロテスクな花や動物のシルク刺繍は、ガウンやタキシードにデザインされ、インパクト大でした。



PRADA

誰もが知っているプラダのメンズラインでは、テディボーイをラフにデザインしたボックス的デザインが並びました。プラダにしてはカラーバリエーションが多く、ブルーや朱赤は目の覚めるような深みと鮮やかさ。そしてほとんどのコーディネートには、シャツの片方の襟をダラリと出すスタイリングで外しを入れていました。シャツ、パンツ、アウターの絶妙なカラーブロックのセンスが素晴らしく、蛍光色と深みのある色とのバランスは簡単には真似っこ出来ない超越したセンスを感じました。



MUGLER

90年代のスペクタクルショーと言えばのテュエリー・ミュグレーでしたが、現在はレディー・ガガのスタイリストであるニコラ・フォルミケッティがデザインを担当し、ウルトラクール&スタイリッシュ、そして近未来!SF映画の軍曹司令官的なスーツや、蛍光色をポイントにしたガンダム的ユニフォームに目が釘付け。テクスチャーの光沢や、ボディーフィットなカッティングは本家テュエリー・ミュグレーを継承し、遊びも盛り盛りなのでファッション雑誌では大人気のルックになりそうな予感。



SAINT LAURENT PARIS

カリスマデザイナーのエディ・スリマンがサンローランに戻って来て初めてのメンズコレクション。彼の大好きな極細少年体形のモデルを多用し、グランジの雰囲気さえ漂わせたロックテイストバリバリ攻撃。なんか変化球がなくて想像してたイメージ通りだったので、これといった驚きがなくやや残念で、サンローランというよりはエディ・スリマンのブランドっていう感じに見えました。個人的にはイヴ・サンローランから『イヴ』を捨ててしまうなんてあり得ない事しでかしたんだから(怒)、もっと期待を大きく超える服を見てみたかったと正直思ってしまいました。



VERSACE

亡くなったジャンニ・ベルサーチが乗り移ってデザインしたかのような、現役時代さながらの80年代カムバックデザインを発表したデザイナーのドナテッラ・ベルサーチ。ラッパーさんやバブリー世代がこよなく愛して止まないベルサーチ柄もお目見えし、裸にファーコートコーデの裏切らない今期ベルサーチ。時代がミニマムになろうが、売れない時代だろうが、ここまで突き通してもらえればむしろさすが!とさえ思ってしまいます。アンダーウェアの販売もスタートしたことも影響しているのか、何コーディネートかはシースルーのレース下着着用でモデルが登場するという大胆さもベルサーチならではと言った感じでした。



VALENTINO
マリア・グラツィア・キウリとピエール・パオロ・ピッチョーリの二人が手がけるバレンティノのメンズコレクションは、60年代のロンドンにインスピレーションされた大変美しくクオリティの高いものでした。レディースの評価が回数重ねるごとに上がっていくヴァレンティノですが、ここにきてメンズも一気に爆発の予感。レディースに見られる繊細でクチュールなテクニックはメンズでも見受けられ、さらには力強さまで供えて素晴らしい。見慣れたタータンチェックもデザイン1つでモダンにアレンジされいたのが画期的でした。




ずらっとレビュー書いてみましたが、2013年秋冬の一押しはバーバリー・プローサムとルイ・ヴィトン!自分がアラフォーなのもかなり影響していると思いますが、基本ベーシックなフォルムで上質素材、さらには長年着れるものを求めてしまう傾向にあり。。。

バーバリーの右上のカーキのコートが一番欲しい。