2012/11/20

Wマガジン 2012年12月号 SLeeP no MORE

カメラマンデュオのマート&マーカス(Mert&Marcs)もすでに大御所入りの風格で、最近はクラシカルな方向に作風が移行してきたのかな〜と思った矢先に、Wマガジン12月号でスペシャルなシューティングを披露!!!

久々ドラマティック全開、ゴシック快調の作風にスーパーモデルのナタリア・ヴォディアノヴァ(Natalia Vodianova)をキャスティングし、ここ最近のファッション誌にはあり得ない予算使って建て込みのディテールも素晴らしく、今期一押しビジュアル!







昔、ビョークの撮影でもお部屋を水浸しにして撮影してたことがありましたが、その時の写真よりもの凄くリアリティがあってミステリアス。おそらく大きなプールの中にお部屋の建て込みをして水を入れたんだと思われますが、家具や壁紙のセレクトもいい感じに馴染んでて、こんな状況でもナタリアがエレガントにセクシーにポージングしているのに悩殺されました。

ハリケーンサンディより撮影が前だったのか後だったのかが頭をよぎりますが、ビジュアルとしてはかなり芸術作品と言っても良いくらいの出来栄え!日本だとここまで作り込む撮影って広告クラスでも難しくなっている現在ですが、このような素晴らしい作品を見るとわくわくして嬉しくなって来ます。

ナタリアがオレンジ食ってる日常っぷりがたまりません。

2012/11/11

11月15日世界同時発売!Maison Martin Margiela with H&M

H&Mとメゾン マルタン・マルジェラ(Maison Martin Margiela)のコラボレーションコレクションが、11月15日に世界230店舗のH&Mショップとオンラインショップで販売が開始されます。今回は復刻がテーマだということで、今までのマルジェラコレクションからデザインを引用。ファンにとってはたまらないセレクトとなっているようです。

まずはレディースはアクセサリー含めて62点という具沢山なコレクション。1,190円から29,990円という手の出しやすいH&M価格でまとめられ、1990年からつい最近の2012年春夏のでデザインまでを復刻させるという気合いの入れよう。メゾン マルタン・マルジェラは一貫した構築的なコンセプトがもともと備わっているブランドなので、時代が変わろうがこうやって並べてみるとまとまり感あり。

もともとグラマラスでリッチな服を作るブランドの、普通っぽい不変的なデザインが着る分には好きなので、特にマルタンが好きというわけではないのですが、、、今回発売されるMaison Martin Margiela with H&Mの服達を個人的にIN/OUTで分けてみました。コレクターの人からしたら怒られてしまいますが、自分だったら着たい服、着れない服って分けてみることにしました。

↑まずはレディースのIN。
ベーシックな物を組み直したり、工業的デザインを取り入れたりと一般的なデザインに一癖入るのがマルタンですが、それが成功していると思われるデザインを選んでみました。今期いろんなブランドで多く見られるビックシルエットなどもあるので、比較的とりいれやすく面白小物なんかもアクセントで持つには楽しい感じ。袖周りにドレープの出るタートルニットや、七部丈の袖まくりビックコートが今っぽくて素敵。




↑そしてレディースのOUT。
こちらは見てわかる通り、かなりコンセプチュアルなデザインだったり、民族的だったりと日常使いは大変難しく、そして着こなす方も頭半分刈り上げするくらいの女性でないと服に負けそう。ブラックブラのレオタードやつぎはぎニット、おくるみ調のビグダウンコートなんかはスーパーモデルでも危険度が高いアイティムで売れ残るのではないかとやや心配です。



そしてメンズコレクション。




最初、この広告を見た時に、このコート絶対欲しい〜!と思っていたのですが、ルックブックやセレブの着こなしを見て襟元のディテールの難易度に悩み中。メンズのほうはアクセサリー入れて59品の展開で、もともとベーシックなデザインが多いので、日常に取り入れやすいアイティムが多く揃っていました。


↑メンズのIN.
メンズは本当にバランスがよくって、ジャケットなんかはベーシックな中にカッティングの冴えを感じて、一着は持ってても良さそうな品の良さ。ややハイウェストなパンツ群が実際はいてみるとどうなるか気になりますが、カラーパレットもグレー&ベージュで綺麗にまとめられ、日頃マルジェラが気になっていたけど取り入れた事なかったお洒落メンズ達は、手の出しやすいアイティム群で人気が出そうです。



↑メンズのOUT.
さすがにアラフォーに近づくと、半分ずつ素材が違うコートやランダムにカラーが違うレザージャケットなどは手の出せないアイティム。そしてデニム裏返しの提案も個人的には遠慮してしまいそうなアバンギャルド感でした。つるんっとしたプレーンなカットソーも、たるんだ上半身が浮き彫りになりそうなので却下。若くてスレンダーなスティックタイプのメンズには似合いそうかと思いました。






最近は定期的に有名ブランドやセレブリティとコラボレーションを しているH&Mですが、コラボ自体がマンネリ化してきたってのもあって、ランバンの時以来並んでない失速感。そして並んで店に入ってしまうと興奮してしまって、必要ないアイティムもどんどん購入してしまうのがスーパーデンジャラスで、結局使わないアイティムもいっぱい〜というのがコラボアイティムの危うさ。値段が安いだけに、必要ないものを買わない意志の強さが今後の課題な気がします。


個人的に、YSL for H&Mとか、Tom Ford for ZARAとかやって頂きたい!

2012/11/10

Vogue Paris 2012 11月号 イネズ&ヴィノードによる世代別ビューティー特集。

Vogue Parisの2012年11月号は、世代別ビューティースペシャル!フランス語はほぼ解読不能なのでビジュアルで楽しんだだけですが、各世代のビューティー代表をポートレートで定評のあるイネズ&ヴィノードが大変美しく撮影していました。


カバーは往年の隙っ歯トップモデルのローレン・ハットン(右)、スーパーモデル時代にスーパーだったステファニー・シーモア(中央)、現代のトップモデルであるダリア・ウェーボイ(左)の三人。なんとも野暮ったく見えているのは、人数もの企画とあれば80年代のお決まりである白シャツにジーパンの組み合わせ。しかもウェストの位置や色落ちが本気の80年代後半ライン!
カメラマンのイネズ&ヴィノードは、ダサさギリギリのテイストで現代を表現するのが上手な二人ですが、今回に限っては表情もそれぞれ勝手な動きをされ、何気に三人が噛み合ってない様子。とは言え、なかなかキャスティングすることが難しいメンバーなので、質素ですが地味にゴージャスという矛盾してて不思議なカバー。


そして68歳になるローレン・ハットンのスペシャル特集から始まり、その後は各世代のモデルさんをブッキング。



 50代〜60歳超えカテゴリーには堂々とローレン・ハットン(LaurenHutton)が君臨。80代モデルのカルメンなども現在は活躍していますが、60年代後半から活躍し、74年にはレブロンと100万ドルの契約をするという快挙を成し遂げた彼女が選ばれていました。背もそこまで高くないし、モデルにしては隙っ歯で仕事をこなし人気だったことを考えると、現代のケイト・モスのような存在だったのかもしれません。実際何十回と飾ったヴォーグのカバーなどを見ると、他のモデルよりも生き生きとしてフレッシュ。どんなメイクをしてもローレン・ハットンとわかるコケティッシュな美も、親近感が感じられ人気に火がついたよう。
かぱっと笑うのが彼女のお決まりルックですが、リチャード・アヴェドンが撮影した若かりし頃のローレン(写真上)、時代が今であっても通用する美しさです。





40代の代表としては二人挙げられていますが、まずは破壊的ポージングがいつまでも様になっているステファニー・シーモア(Stephanie Seymour)。現在44歳の彼女は、すでに20歳超えの息子を持つ二男一女のお母さんとは思えない美しさと迫力にガクブル状態。イネズ&ヴィノードの写真ではいつも相性のよい動きを見せるステファニーですが、ロック魂を難なく表現できちゃうマインドが素晴らしい。 あのシンディ・クロフォードに、『私たちとは次元の違う美しさ』と当時言わしめた美貌が現在も生き残っているのは、日々のメンテナンスと表現力の豊かさでしょうか。泣きつく子猫ちゃんみたいな垂れ目が、いつ崩れるのか?と昔から心配でしたが、キープできているのはさすがです。ちなみに脂肪吸引は日常茶飯事なのを本人はカミングアウト済み。


40代でもう一人挙げられていたのが、モデル活動はご無沙汰だったタチアナ・パティッツ(Tatjana Patitz)、46歳。 ドイツ人の彼女はカメラマンのピーター・リンドバーグやハーブ・リッツに気に入られて、80年代後半から90年代初期にクールなイメージで大活躍。スーパーモデルブーム後にあっさりと引退し、その後はたまーにみかけるくらいでしたが、息子と牧場で二人暮らししているのを先日のUSヴォーグ8月号で特集組まれていました。隠居生活をしててもフェイスライン、ボディーラインが崩れていないのが奇跡で、2011年は海外版資生堂と契約してました。


2000年以降、トップ街道まっしぐらのダリア・ ウェーボイ(Daria Werbowy)は、ランウェイではほとんど見かけなくなったけど、ランコムの広告やファッションストーリーでは美しさを惜しみなく振りまいています。ただのクラシックビューティーな人ではなく、微妙に見え隠れするヒラメ顔が、パーフェクトになり過ぎてない顔立ちで良く、現代の求めている美しさを表現しているよう。ボディも線が細いのにみじんも貧乏臭さはなく、出るところはしっかり出て細身のグラマラスという新しいカテゴリー。彼女もイネズ&ヴィノードの写真ではかなりの登場回数ですが、ボブに切ったヘアスタイルは新鮮で、いつもとは違った魅力を出していました。もうすぐ29歳なのに、30代のカテゴリーに仕分けされているのは何故なんでしょう???



最後は20代代表のロウロウ(Loulou)ちゃんは、あどけなさが残る19歳のフランス人。まだキャリアが浅いですが、イネズに猛烈に気に入られているようで、何故?というくらいよく撮られています。何故か彼女も20代代表に。あまり洗練され過ぎてない、アンニュイな表情を出すロウロウちゃんは、ルイ・ヴィトンのショーにもキャスティングされていたようで、これからの活躍が楽しみな新人モデルの一人です。



リアル50代、リアル30代がキャスティングされていなかったのが不思議ですが、モノクロームの写真が素敵過ぎてみててため息が出ました。特にステファニー・シーモアのアゴ上げ&股開き、ダリア・ウェーボイの目もとに不意に落ちる前髪にやられました。