知らない人はいないはずのGUCCIの広告。かなり長く撮っていますが、毎度完成度が高く予算も多いと思うのでじっくりと撮っている感じが漂います。わりとモデルを何人かからます事の多いGUCCIですが、今回は女子モデルは二人づつで、画面に配置された平面構成がどの写真みても美しいです。全体にトーンは暖かみのあるゴールド風味でデンジャラスデラックス。上質だけど股は閉じない強気ガールは、品と下品のせめぎ合い。
こちらは日本から撤退してしまったけど、また伊勢丹にカムバックしてきたヴェルサーチの広告。泣く子も黙るスーパーモデルのジゼル(gisele bundchen)をキャスティングしていること自体で戦闘力も凄まじく、硬質な仕上がり。普通カメラマンって平均値の色を出すのに命かけてる人多いんですけど、マート&マーカスにおいてはその都度思い描いたトーンにプライドなくガラッとイメージを変えてしまうのも凄い。日本の編集者とか、こんな色みでカメラマンが納品してきたら、『データが壊れてます』とか言ってきそうな勢い。そのくらいヴェルサーチ、パワーみなぎるアド!
カルバン・クラインもなにげに長く撮っているマート&マーカス。唯一今回のシーズンではモノクロ写真なんだけど、彼らの撮るモノクロってコントラスト強いのは見ての通り言うまでもないんですけど、なんかべったりというか、粘っこいモノクロなのが個性を感じます。女性モデル(Lara Stone)には男性の影、男性モデルの写真には女性の影を配置し、やはりグラフィカルに演出してくるところ、憎過ぎ。上質の極限。
こちらはディースクエアードの広告。キャンプ場的な草むらでやさぐれた男女が昼間っからグータラ戯れ調。外だけどがっつり強めライト焚いて仕上がりもコントラストと彩度がマックスで夏っぽい。本当に構成能力に長けていて、モデルの配置から小物の配置までぬかりなくパーフェクト。カジュアルもモードも隔たりなく綺麗に見せてるのがえらい。すでにトップの風格漂うナターシャ・ポーリー(Natasha Poly)の眉無しの睨みもしびれます。
先程のベルサーチと同じくスーパーモデルのジゼルなんだけど、その表現方法は真逆で曇り空で上の空。ジバンシーがまさかのサーフビーチ演出に違和感を感じつつも、それがあたかも自然かのように調和しているのが大変不思議なビジュアルです。本気で天気悪そうな撮影っぽいけど、ダークな空が思ったより良い感じ。
こちらはポール・マッカートニーの娘さんのステラマッカートニーの広告。モデルは何シーズンか続いているロシアのシンデレラ、ナタリア(Natalia Vodianova)。ちょっと毒々しささえ感じる花のコラージュに、人物だけモノクロ。洋服のアールデコディテールと、暑苦しささえ感じる花のデコレーションが見事にかみ合ってなく、それが逆に今っぽくて新鮮。
シャネルの広告もやっちゃってだいぶ人気も知名度もアップしてきたサスキアちゃん(Saskia de Brauw)をキャスティングしたロエベは、お部屋の中のストーリーで『お尻は叩いても、顔は叩かないで!』系。ショートカットでボーイッシュなサスキアにセクシーポージングさせて、ロエベのコンサバ感をあえて壊している表現でこういうの大好き。
って、まだまだいくつか今シーズンは撮ってて、もう紹介するのが大変なくらいの本数ゲット。いったいワンシーズンだけでいくら稼いでいるんでしょう。(って余計なお世話)
これにブルガリの香水や、トム・フォードのコスメティックライン、ドルガバのコスメと、もう収集が付きません。。。
マート&マーカス、ここ最近三本の指に入るくらい大好きカメラマンかも。
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